市の知財交流事業 大企業と中小マッチング|カナロコ|神奈川新聞ニュース

市の知財交流事業 大企業と中小マッチング

新製品を説明する佐々木社長=川崎市役所

 大企業の開放特許を活用して新製品開発を促す知的財産交流事業で、川崎市内の中小企業が新たな工具を製品化した。市と市産業振興財団が2007年から進めている取り組みで、知的財産交流会やシンポジウムを通じてマッチングを支援。今回の新製品を含め21件のマッチングが成立、13件が製品化されており、今後も優れた新製品開発や市内産業の活性化、技術力アップの可能性はさらに広がりそうだ。

 今回、新たに製品化されたのは、金属部品の測定ツールを石製の測定基準面(定盤)に簡単に固定できる「真空吸着ツールスタンド」。各種自動化機械装置の開発などを手掛ける「佐々木工機」(高津区、佐々木政仁社長)が、市内大手企業の「ミツトヨ」(同区)の開放特許を活用した。佐々木社長は「石製の定盤が主流になってきた中で、便利なスタンドだ。現場での使い勝手を意識して開発した」と話している。

 今回は、13年11月のシンポをきっかけに両社が昨年6月にライセンス契約などを結び、製品化が進んだ。ミツトヨは固定する対象物の材質に左右されずに工具を着脱できる真空吸着ツールスタンドの特許技術を保持。佐々木工機がこの技術を活用して開発した。

 金属部品の精密測定の際、ダイヤルゲージなどの測定ツールを平らな定盤に固定する必要がある。これまでは金属の定盤が多く、ツールをマグネットスタンドで固定していた。しかし、金属より劣化が少なく温度変化も少ない石製の定盤が普及。その際使われる測定ツールスタンドは大型で重いものが多かった。

 今回開発されたツールスタンドは、エアコンプレッサーを使って吸着面を真空状態にすることで石製定盤でも簡単に固定、取り外しが可能になる。従来のスタンドより、小型で軽量であるため、作業性も向上するという。5月から販売を開始する。1台2万4千円。問い合わせは、佐々木工機電話044(844)0338。

【神奈川新聞】

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