公的事業から撤退 横浜・NPO法人「PWL」、別法人が障害者支援継承へ|カナロコ|神奈川新聞ニュース

公的事業から撤退 横浜・NPO法人「PWL」、別法人が障害者支援継承へ

不適切な障害者支援事業で横浜市から繰り返し指導を受けていたNPO法人「PWL」(横浜市中区、箕輪一美理事長)の事業のうち、日中活動のほとんどが、7月から同市保土ケ谷区の社会福祉法人に引き継がれることが29日、分かった。日中活動とともに柱だった障害者グループホーム(GH)も2月にこの法人が引き受けており、PWLは公的な障害者支援事業から事実上撤退する。継承される利用者は計約150人に上り、横浜市によると、こうした大規模な事業継承は異例という。

継承先は社会福祉法人「同愛会」。新たにPWLの日中活動7事業のうち5事業を引き継ぐ。同市港北区で行っている「就労移行支援」と「自立訓練(生活訓練)」、中区で実施している「就労継続支援A型」「同B型」「生活介護」で、利用者は計80~90人という。中区の3事業は就労継続支援B型に再編統合。同愛会が別の場所に事業所を新設し、あらためて利用者と契約する。

同愛会の高山和彦理事長は「利用者の行き場がなくなってしまう事態を生じさせないため、社会福祉法人としての社会的責任を担った」としている。

日中活動7事業のうち、障害児向けの放課後デイサービス(港北区)は6月1日付で廃止されている。利用者20人のうち希望者は他の事業所へ個別に引き継ぐ。約15人が利用する地域活動支援センター(中区)は継承先を調整中で、当面はPWLが運営する。

また、主に中学校を卒業した軽度知的障害児向けの通信制普通高校の技能教育施設も、同愛会が引き継ぐ方針。単位取得で生徒らに不利益が生じないよう、通信制高校側と連携して対応する。

PWLは運営するGHや日中活動事業をめぐり、不適切なサービス提供や自立支援給付費の請求などが相次いで発覚し、横浜市が昨年4月から繰り返し文書指導してきた。返還額は少なくとも6810万円に上る。

資金繰りが悪化していたPWLは昨年12月、市に「事業の継続が難しい」と支援を要請。PWLと交流のある同愛会は市の要請を受け、今年2月にGH13カ所を継承した。その後も日中活動の継承を検討していた。

横浜市障害支援課は「利用者への大きな負担を避けることができた」とする一方で、2012年12月以降に行われた実地調査まで不適切な実態を把握できなかったことについて「今回のことを教訓とし、実地調査の方法などを検討したい」と話している。

PWLは1992年から横浜市中区などでGHを運営。2003年にはNPO法人化した。11年度の事業報告書によると、事業の大半が公的な障害者支援サービスで、事業規模は年間約5億2千万円に上る。

【神奈川新聞】

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