秦野高サッカー部OB がんで逝った友よ 闘病選手招き教室|カナロコ|神奈川新聞ニュース

秦野高サッカー部OB がんで逝った友よ 闘病選手招き教室

昨年11月に肺がんで亡くなった、福嶋さんの親友の平野さん

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小田急線東海大学前駅近くで「松屋不動産」(秦野市南矢名)を営む福嶋秀樹さん(44)が10月、湘南ベルマーレのフットサルチームに所属する久光重貴選手(33)を招き、小学生を対象にフットサル教室を開く。肺がんと闘いながらプレーを続ける久光選手に声を掛けた理由は、昨年11月に同じ病で亡くなった親友の存在だった。

福嶋さんは昨年11月、地域貢献のためサッカー教室を開いた。運営スタッフの中に闘病中の久光選手を応援する人がおり、当日の募金活動を要請され、快諾していた。

その6日後。県立秦野高校時代のサッカー部で同期だった、平野賢哉さんが亡くなったと聞かされた。3年前から肺がんと闘っていた。「手術は成功したと聞いていた。心のどこかで必ず治ると思っていた」。亡きがらを見ても実感が湧かなかった。信じられなかった。

平野さんのポジションはFW。中心選手として、母校を県上位にまで引っ張った。「まっすぐなヤツ。言いづらいこともずばずば言うけど、自分もそれだけ努力をしていた」(福嶋さん)。大学卒業後、転職を経て生命保険のやり手営業マンとして活躍していた。

そこへ突然の病魔。発覚時には、がんはかなり進行していたという。バカな思い出話、男としての生き方、これからのこと-。多くを語らうことができないまま、親友は旅立ってしまった。

昨年5月に肺がんが見つかった久光選手は、懸命の治療とトレーニングで今年2月に復帰。今も抗がん剤治療は続き、不安と闘いながら球を追う。自らの経験に照らし、子どもに伝えたいことがあるという。

「今できることを今やることが、どれほど大事なことかを分かってほしい」

福嶋さんはその言葉をかみしめる。もしかしたら親友も、そんなことを思い、伝えたかったのかもしれない。このタイミングで久光選手を知ったのは、何かの運命だと感じた。

福嶋さんからの申し出を快諾した久光選手も「これまでも、まったく知らないところから応援の輪がつながった。福嶋さんや平野さんとのつながりもそう。思いは全部、人と人を通して伝わっていく。今回のイベントでもつながりができていったら」と期待する。

10月13日に行われるフットサル教室の会場は、ともに青春を過ごした母校の体育館に決めた。「当日は技術はもちろん、久光選手の生きざま、話から子どもたちに何かを感じ取ってほしいし、彼を継続的に応援していくきっかけにもしたい。きっと賢哉も喜んでくれると思う」

当日は、午前は小学生対象のフットサル教室(費用千円=定員60人)、午後は市立広畑小学校(同市下大槻)で久光選手のトークショーなどが開かれる。申し込み・問い合わせは、福嶋さん電話0463(77)2337。

【神奈川新聞】

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