女子大生の寄席が人気 豪快な落語で笑顔に

落語の魅力を語る小林さん =桜美林大学落語研究部部室

小柄な外見に似つかわしくない豪快な落語-。地域のお年寄りたちの間で話題になっている女子大生が相模原にいる。桜美林大学(東京都町田市)3年生の小林千華さん(21)は2月、全日本学生落語選手権「策伝大賞」で320人のエントリー中、ベスト8入りを果たした実力の持ち主で、地元でのボランティア寄席もこなす。「多くの人を笑わせたい」。その一心で今日も稽古に励む。

「おまえの友達の天ぷら屋の竹さんが、昨夜泥棒に殺された」。古典落語「新聞記事」の一節。身長147センチの小柄な体に似つかわしくない太い声が会場に響く。

先月、相模原市中央区で高齢者向けに開かれた「振り込め詐欺撲滅大会」での防犯寄席。堂々とした姿と軽快な話術に、客席からは「上手だね」とため息が漏れた。

落語研究部員として、大学周辺の町田市や生まれ育った相模原市のイベントに年20回ほど参加する。その実力は話題に上り、今では「ぜひ小林さんに」と指名を受けるほどだ。

「普段はおっとりした性格。高座では別人になれるんです」。笑顔でそう語る小林さんが落語に出合ったのは、大学1年生のとき。「何か変わったことがしたい」と思い、落研に入った。

2学年上の女性の先輩が披露した落語を見て、その魅力にはまった。「男言葉で大声を出して、表情を豊かにするため顔を崩していて…。いい意味で女を捨てている姿がかっこよかった」。以来、先輩を目標に研さんを積んだ。

ボランティア寄席には、いろいろな人がいる。だから毎回大切にしているのは、客席とのコミュニケーションだ。

障害者施設で公演をしたときは、日頃から落語に親しむお年寄りと違い、無反応な会場に戸惑った。

ここで「内容で笑ってもらえないなら、体で表現しよう」と思いつき、犬がほえるシーンでは「アゥ、アゥ」といつもより大げさにほえた。

「あ、犬だ」

会場から笑いが生まれた。公演後、障害者に興味を持ち、相模原市内の障害者施設でアルバイトを始めた。「落語が縁で私の世界も広がりました」

現在3年生だが、卒業後はプロを目指してはいない。「でも、地域での活動など何らかの形で続けていきたい」。客席とのコミュニケーションを楽しみながら。

【神奈川新聞】

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