飲み物、充電も“オン” ものづくり思い込め 横浜のベンチャーがボードを開発|カナロコ|神奈川新聞ニュース

飲み物、充電も“オン” ものづくり思い込め 横浜のベンチャーがボードを開発

載せるだけで付属のマグカップを温めたり、一部のスマホをワイヤレス充電できるボード。奥は開発した斎藤さん=横浜市中区

載せるだけで飲み物を温めたり、特定の携帯電話を充電できるボードを「ディサプライング」(横浜市中区)が開発し、販売に乗り出した。同社は昨年に設立したばかりのベンチャーで、社員の多くが大手電機からの早期退職を余儀なくされた経験の持ち主。「世の中を驚かせたい」-。ものづくりへの思いの詰まった起死回生の第1弾でもある。

開発したボードは横9・5センチ、縦12センチ、厚さ1・3センチの「ディーエスホットマグ」。特殊なコイルを内蔵し、ボード上に置いた専用のコップで飲み物を温めたり、ワイヤレス充電に対応したスマートフォンを充電できたりする。

1月末から同社オンラインショップで予約を受け付け、今月6日に発送を始める。「万感の思い」と語るのは同社共同代表の斎藤茂彦さん(52)だ。

昨年5月に産声を上げた同社。社員5人のうち4人がさまざまな理由で大手電機メーカーを辞めた。斎藤さん自身も、勤務先の事業集約に伴い「(早期退職要請の)肩をたたかれた」。ボード開発や起業は、「ものづくりでやり残したことがある」との思いが背中を押した。

注目したのはワイヤレス給電という技術。かつての職場で事業可能性を探る研究に携わっていた。「採算が見込めないとの会社の判断で白紙になったが、『いや、おもしろい技術だぞ』と思い続けてきた」という。

「この技術で家電から伸びる電源コードが一本また一本となくなれば日常の見える景色が変わる。電気をどう使うかで生活スタイルも変えられる」。早期退職後の1年余り、研究に明け暮れた。

シンガポールなど海外赴任の経験もある斎藤さんは「国内は産業空洞化や景気低迷で、なかなか明るさを取り戻せていないように感じていた」と語る。だから起業後、「国内のものづくりの一隅を照らしたい」と部品や素材選び、組み立てといった工程では全て国内企業に発注した。例えば、付属品のマグカップのステンレスは金属加工に長けた新潟県燕市の中小企業によるものだ。

一度は追われたものづくりの現場に、自力で戻ってきた斎藤さんは言う。「使う人に驚いてもらえる、そんな自分たちのものづくりを追求していきたい」

インターネット販売のほか、病院や老人施設、美容室などでスタッフや利用者に試用してもらい販路拡大を図る。また「温める」「充電する」以外の活用法も模索していく。

問い合わせは同社電話045(228)7890。

【神奈川新聞】

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