小柴の“放置”トンネル問題:所有者不明解決へ協議、笹子崩落受け市と国が本腰へ|カナロコ|神奈川新聞ニュース

小柴の“放置”トンネル問題:所有者不明解決へ協議、笹子崩落受け市と国が本腰へ

「所有者不明」のトンネル=横浜市金沢区

旧小柴貯油施設(横浜市金沢区)の南側に、施設のゲートと住宅街をつなぐ1本のトンネルがある。70年以上前に旧日本軍が造ったものだが、戦後の手続きから漏れたため、国にも市にも台帳に記載されておらず、「所有者不明」の状態という。しかし、トンネル崩落事故などを受け、ようやく国と市が本格的な協議に乗り出した。市基地対策課は「解決に向け、国と話し合っている。早めに管理主体をはっきりさせたい」と話している。

市基地対策課によると、トンネルは旧日本軍が土地を強制収用して掘削し、1939年に完成。第2次大戦後、貯油施設は米軍に接収されたがトンネル部分は権利設定がなされず、宙に浮いたまま約70年が経過した。

トンネルは高さ約5メートル、幅約7メートル、長さ約180メートル。住宅街とゲートをつないでいる。現在はゲートが閉じられているため行き止まりとなっており、もっぱら施設横の3軒の民家の生活道路や路線バスの転回用に使われている。

トンネルについて、同課は「以前から存在を認識していた。国に『旧日本軍が造ったものなのだから国が管理すべき』と申し入れたこともある」と説明。しかし、国側は「国有財産台帳に載っていないので知らない」として、議論は平行線だったという。

転換点となったのは、2012年12月に山梨県で起きた「笹子トンネル事故」。事故を踏まえ、自民党の藤代哲夫氏や高橋徳美氏が市会で、このトンネルの管理について取り上げたことで、市も国との協議に本腰を入れ始めた。市によると、国側にも従来の主張から変化が見え始めているといい、「お互いに前向きに解決に取り組んでいる」(同課担当者)。財務省関東財務局横浜財務事務所の担当者も「軍が設置した事実はあるので、台帳に載ってないから『分からない』というわけにはいかない。国としても解決に向けて市と協議している」と話す。

05年に米軍から返還された旧小柴貯油施設は現在、都市公園としての利用に向けて市が基本計画を策定中。トンネルも出入り口の一つとして活用したい考えだが、所有権が不明なままでは計画に組み込めないという。

市緑地保全推進課は「(トンネルを)使えるに越したことはない。協議の推移を見守り、結果を踏まえて弾力的に考えたい」と話している。

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