アルジェリア人質事件:日揮社長、涙こらえ会見「つらくて、つらくて」/神奈川|カナロコ|神奈川新聞ニュース

アルジェリア人質事件:日揮社長、涙こらえ会見「つらくて、つらくて」/神奈川

イスラム武装勢力の襲撃で10人の日本人エンジニアらが非業の死を遂げたアルジェリア人質事件。犠牲者9人の遺体が25日、無事だった7人とともに帰国した。現場の状況が徐々に明らかになる中、羽田空港や日揮横浜本社は遺族や同僚らの鎮魂の祈りに包まれた。

「つらくて、つらくて、つらくて。本当に残念な気持ちでいっぱいです」-。川名浩一社長は25日、横浜本社(横浜市西区)での帰国会見で、涙をこらえながら無念さをにじませた。

「駐在員全員を無事本国に帰すという信念を持って向かいましたが、誠に残念な結果を報告することになりました。誠に…。痛恨の、極みでございます」

ダークスーツに黒いネクタイ姿で会見場に現れた川名社長は、100人以上の報道関係者が見守る中、言葉を詰まらせながら現場の様子や経緯を説明した。

プラント建設現場近くのイナメナス市街に一行が到着し、棺の中に横たわっていた日本人と思われる5体を一人ずつ確認。今回の襲撃から逃れることができた社員らの協力で、仲間と判明した。「どうぞ違っていてほしい、と願ったが…」。その瞬間を思い出した川名社長は目を閉じ、唇をかんだ。犠牲者の名前を叫んで悲しんだ同行者もいたという。

現場まで足を運んだが、黒焦げの車両が横転し、焼けた車の残骸が飛散。プラントの一部も黒く損傷していたという。「ここで残虐な行為が行われたのかと、自分の目をうたぐった」

会見に同席した三好博之執行役員によると、現場は同国政府が安全を保障し、軍によって強固に守られている区域。1969年に同国に参入してから、今まで一人も犠牲者を出さずにきた。

「その中で起こった事件で、結果的に私どもの尊い命が奪われた。とても悲しい。非常につらい」。川名社長と会談した首相やエネルギー相は、プラント建設現場には「必ず安全対策に大きな改善を見せる」と約束したという。

日本企業が参加する海外のプロジェクトが狙われ、多数の犠牲者が出たのは初めて。「その国の経済発展に貢献できる価値ある仕事との誇りを持っている」有能なスタッフの死を前に、川名社長は「今回の事件で安全を確保しながら継続していけるかという課題を目の前に突き付けられた。今後、この課題を最優先にして取り組みたい」と誓っていた。

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