東海道線衝突 茅ケ崎の踏切で軽乗用車が通行止めすり抜け/神奈川|カナロコ|神奈川新聞ニュース

東海道線衝突 茅ケ崎の踏切で軽乗用車が通行止めすり抜け/神奈川

現場見取り図

7日夜に茅ケ崎市十間坂の踏切で発生したJR東海道線の電車と軽乗用車が衝突した事故で、通行止め用のポールは車がすり抜けられる間隔で設置されており、軽乗用車が踏切内に進入後に脱輪した結果、事故につながったことが8日、分かった。

茅ケ崎署によると、軽乗用車は平塚市在住の男性会社員(18)が運転し、県立高校2年の男子生徒2人=いずれも平塚市在住=が同乗していた。南側の出入り口から踏切内に進入した後、通行人から「(踏切内に乗用車は)入れない」と指摘され、バックしたところ右側後輪が脱輪した。

男性会社員は「(非常用のボタンを)探して押そうとしたが見当たらなかった」と話しており、3人は立ち往生した軽乗用車から逃げた。一方、電車は衝突した軽乗用車を268メートル引きずり、脱線した。乗客の男性会社員(51)が軽傷を負った。

軽乗用車を運転していた男性は「道に迷った」と話しており、同署は9日以降に自動車運転過失傷害や過失往来危険などの疑いを視野に男性らから再度事情を聴く方針という。国土交通省の運輸安全委員会も8日、現場を調査した。

復旧作業を続けていたJR東日本は8日午後3時45分ごろ、事故車両の撤去と安全確認を終え、約19時間ぶりに通常運転を再開。事故発生から復旧までに上下線、湘南新宿ラインで計112本、約9万4千人に影響した。事故車両の撤去作業は難航。大破した軽乗用車の撤去などに時間がかかり、上り電車の平塚-辻堂間は貨物線路を使用した。上り電車は茅ケ崎駅を通過する形で運行した。

影響で、茅ケ崎から上り方面を利用する乗客は平塚に出てから乗り換えるなどし、通勤時間帯の駅が混雑した。JRは茅ケ崎、平塚、辻堂、藤沢、戸塚の5駅で階段や改札前で入場規制を行ったりするなど通常とは異なる混雑対応を行った。

◆標識や看板なく

JR東海道線の踏切(茅ケ崎市十間坂)で7日夜、軽乗用車と普通電車が衝突、脱線した事故。軽乗用車が車止めをすり抜けて踏切内に進入したことが引き金となったが、踏切の手前に「通行止め」を告げる表示はなかった。神奈川近郊で車の進入を規制している踏切は、私鉄を含め100カ所以上あり、今後の安全対策が問われそうだ。

事故現場となった踏切は、南北に通る市道を線路が横切る構造で、幅員は南端が約4・2メートル、北端が2・5メートル。それぞれの出入り口の中央付近には、旧国鉄時代に設置された車止めのポールがあり、「自動車は全面通行禁止」とされていた。

ところが、南側のポールと踏切西側の遮断機との幅は約2・2メートルで、車幅が1・47メートルの軽乗用車は進入可能だった。さらに、線路の南約140メートルの商店街から踏切までの市道には、踏切が車で通行できないことを知らせる案内看板は一つもなかった。

踏切付近に50年以上住む男性は「今まで線路に入ったり、踏切の手前でUターンしたりする車はほとんどない」と話すが、今回のケースは、道に迷ったドライバーの進入を許してしまった格好だ。

茅ケ崎署は「踏切手前に標識や看板の設置義務はない」とした上で、「ポールで車が入れないことを想定していた」と話す。これに対し、「標識は県公安委員会が設置すると認識している」とするのはJR東日本横浜支社。ただ、再発防止策については、事故の経緯を踏まえて検討するとしている。

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