「まだ若い気でいます」、川崎の施設に110歳の女性2人/神奈川|カナロコ|神奈川新聞ニュース

「まだ若い気でいます」、川崎の施設に110歳の女性2人/神奈川

川崎市宮前区の介護老人福祉施設「鷲ケ峯」で、ともに110歳の原ひささんと山城四女子(よめこ)さんの女性2人が元気に暮らしている。市内では、国内の女性最高齢の女性(114)に次ぐ長寿。これほどの高齢者が同じ施設にいるのは珍しいといい、2人は「好き嫌いなく何でもよくかんで食べることが長生きの秘訣(ひけつ)」と笑顔で話している。

「まだ若い気でいます。年を取ったとは思ってないですよ」

少女のような透き通った笑みと優しい語り口で、原さんが周りを和ませる。

2人はともに1902(明治35)年生まれ。前年には第1次桂太郎内閣が発足し、日英同盟が締結された年だ。

原さんは静岡県で生まれ、高等小学校を卒業後に上京。和裁の仕事に就き、大手デパートの裁縫場に勤めていたという。5人の子どもを育て、自宅に開いた裁縫教室には多くの人が習いに来ていたという。

しかし東京大空襲では自宅を含め、一面が焼け野原に。夫も終戦直後に亡くなった。「くよくよしても仕方ない。頑張って生きていかなければと思った」と当時を振り返る。

食べ物に好き嫌いはなく、今もお酒に口をつけることがあるという原さん。「どんなにお金があっても健康でなければつまらない。そのためには心に悩みを持たないこと」と話す。

東日本大震災を経て、政治や経済は今、混沌(こんとん)とした状況が続く。未来を生きる若者へメッセージを、と問い掛けると、「うそ、偽りのない人生を送ること。それが一番大事。自分の心に偽りを持ったら暗い人生になる」。

一方の山城さんは新潟県生まれ。上京後に結婚し、夫らとともに浅草で草履を作る仕事をしていたという。戦争を経て60年ごろからは川崎市幸区の銭湯で20年以上働いたという。

「今、生きていること自体がうれしい」と山城さん。現在は一人娘の英子さん(78)に孫3人、ひ孫8人、やしゃご1人に囲まれ、穏やかに日々を過ごす。「周りにたくさん人がいて、みんなに面倒を見てもらって、それが幸せ」と話す。

「歩くことが大好きで、2人でよく長野の温泉に行った。『我が道を行く』性格で、天真らんまん。人が何を言っても聞かなかった」と英子さんは笑う。106歳の時に転んで右大腿(だいたい)骨を骨折したが、懸命なリハビリのおかげで今でも自力で歩くことができるという。

施設によると、原さんは食堂で職員と話し、山城さんは車いすで動き回るのが好きだという。平山みちる施設長は「まだまだ元気。これからも健康に元気に過ごしてほしい」と話している。

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