ピュアな気持ちに勇気をもらえる 映画「愛唄」出演者インタビュー
- 映画|神奈川新聞|
- 公開:2019/01/18 18:53 更新:2019/01/18 18:58
突然の病に襲われ、余命3カ月と宣告を受けた23歳のトオル(横浜)、トオルが心引かれた詩集の作者で長く入院生活を送る少女凪(なぎ)(清原)、トオルの旧友で元バンドマンの龍也(飯島)らの純粋で飾らない心の交流を描く。同グループが2007年に発表したヒット曲「愛唄」に込めた「人を好きになることを恐れないで」というメッセージを映画で表現した。
横浜は、台本を初めて読んだ際の印象を「トオルは23歳になるのに、恋もせず、友人もいない。こんなにピュアな青年がいるのかと思った。トオルのピュアさ、真っすぐさがうらやましかった」と振り返る。
余命宣告に自暴自棄になるトオルだが、病に負けず今を全力で生きようとする凪に出会い、変わっていく。そんなトオルを、時にちゃかし、時に真剣に受け止めて、支える龍也。
「撮影に入ったときは、気負っていたところがあった。でも3人でお芝居をしていると、2人が役としてそのままいてくれて、素の状態になれた」と横浜。
トオルは互いに命の危険を抱えながらも、凪がやりたいことをかなえてやりたいと必死で生きていく。
清原は「毎日を前向きに生きるのは大変なこと。私生活でも一瞬一瞬を大切にしないと、凪を演じられないと思った」と話し、詩人である凪に近づくために、思ったことをノートにつづるなどの役作りを行ったという。
初のミュージシャン役でギターを猛特訓し、「愛唄」を熱唱する名場面を演じた飯島。「龍也のせりふは、普段生活している中では口にしないようなことが多い。撮影を続けているうちに、トオルと凪がいたからこそ、引き出された言葉なんだなと実感した」という。「完成作を見て、5回ぐらい泣いた。いろんな気持ちが湧き上がってきて」と思い入れもたっぷりだ。
限られた時間の中で、精いっぱい生きることの意味を問い掛ける若者たち。自らの生き方にも影響を受けたと3人は口をそろえる。
横浜は「トオルたちが全力で生きる姿に、一日一日を大切に生きたいなと改めて思った。自分の気持ちをしっかりと言葉に出して伝えることを、大事にしていきたい」と真摯(しんし)に語った。