〈時代の正体〉「1人で暮らし、結婚もしたい」 障害ある女性新成人「いま生きている奇跡」|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉「1人で暮らし、結婚もしたい」 障害ある女性新成人「いま生きている奇跡」

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2019/01/13 17:32 更新:2019/01/16 00:10
【時代の正体取材班=成田 洋樹】身体・知的障害があり、車いすを使って生活している新成人が大和市にいる。彼女は親の手をなるべく借りずに自分の世界を少しずつ築き上げてきた。「1人暮らしや結婚もしたい」。思い描く未来は広がる。

1人で登下校


 横浜市泉区にある障害者生活介護事業所「つぼみの家」に、昨年大ヒットしたDA PUMPの「U.S.A.」が流れ始めた。朝の体操の時間に、利用者十数人がノリノリになって踊る。平岡みのりさん(20)は、はにかみながら電動車いすの上でリズムを取っていた。

 出産予定日より2カ月ほど早く生まれ、体重は約1120グラムだった。支援の必要度を示す障害支援区分は重度の「5」。地元の小中学校の特別支援学級で学び、同市瀬谷区の県立三ツ境養護学校高等部に通った。

 父の祐二さん(58)には、障害者の自立についてある思いがあった。

 「本人が元々持っている力を伸ばしつつ、家族以外のさまざまな人たちからの支援も受けられる人になってほしい」

 登下校の付き添いもだからボランティアに委ねた。自宅最寄り駅からひと駅先にあった学区の中学へは電車通学となり、2年生から高等部卒業までは1人で通った。2カ所の事業所に通ういまもその習慣は変わらず、行動範囲を着実に広げてきた。

仲間を気遣い


 みのりさんが40分ほどかけて通う「つぼみの家」で取り組むのは、刺しゅう。手元に意識を集中させながら、同じ部屋で軽作業をしている利用者への声掛けにも余念がない。

 「ゆっくりね」

 「大丈夫?」

 自分を尊重してくれている「仲間」たちへの気遣いだった。職員は「利用者の様子によく気を配ってくれる。学級委員のような存在」とほほ笑む。

 手先が少し不自由だが、いずれは野菜を切ったり、お皿を洗ったりしたい。シフォンケーキも作ってみたい。「自分でできることは自分でしたい」。そう強く思うのは、親元を離れ、福祉職らの支援を受けながらの1人暮らしを見据えているからだ。

 思いを寄せる人がいる。恋愛もしたい。...

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