時代の正体〈660〉受け入れる環境整えて 竹川真理子さんNPO法人信愛塾センター長|カナロコ|神奈川新聞ニュース

時代の正体〈660〉受け入れる環境整えて 竹川真理子さんNPO法人信愛塾センター長

外国人受け入れ考

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2019/01/11 10:31 更新:2019/01/12 10:57
竹川真理子さん

竹川真理子さん

 外国人が多く生活する横浜市南区を拠点に、日本社会でさまざまな壁に直面している外国人の子どもや保護者らの支援を続けるNPO法人「在日外国人教育生活相談センター・信愛塾」が昨年11月、設立40周年を迎えた。センター長の竹川真理子さんはこれまでの活動を振り返り「身近に外国人は大勢いるが、日本人にはその存在が見えていない」と話す。くしくも改正入管難民法の成立で、来日する人たちの増加が予想される状況になる中、外国人の生活環境の整備をあらためて訴える。

生きづらさ


 信愛塾が誕生したのは1978年。学校で孤立しがちだった在日韓国・朝鮮人の子ども会として、在日大韓基督教会横浜教会と、横浜の民族差別と闘う会の支援で設立された。現在、子どもからも保護者からも「竹ちゃん先生」と慕われ、信愛塾の顔となっている竹川さんが活動に関わり始めたのは83年。当初は、公務員の傍ら終業後に数学と英語を子どもに教えていた。

 「すごく教えがいがあった。スポンジが水を吸い込むように、教えれば教えるほど伸びていく子がいた。一方で、話しかけても無視する子も。教えることはすごく面白かったが、同時に不思議に思う気持ちが膨らんだ。この子は教えたらすぐに理解できるのに、なぜこんなに簡単なことが分かっていなかったのか、こんなに斜に構えているのか、と」

 当時は、外国籍の子どもといえば在日韓国・朝鮮人だった。そして在日の子どもたちは、学校に居場所がなかった。本名で通っていた子はいじめられ、通称名を使っている子どもも本名を隠そうとびくびくしていた。「重いものを抱えている子は、表情にもそれが出る。リストカットなどの身体症状に悩む子もいた」

 竹川さんは「不思議」に迫ろうと、とにかく子どもたちの話を聞いた。口が重い子も、粘り強く話しかけるとぽつりぽつりと思いを吐露するようになった。93年には公務員を退職し、専従となった。「外国人の抱える生きづらさは、今も変わっていない。心の扉を開けるため、とにかく話を聞いて、聞いて、聞きまくるのは同じ」。思いを知ることからすべてを始める姿勢は一貫しているという。

存在見えず


 月日はたち、日本で生活する外国人の国籍や人数は大幅に増えた。横浜市内では、外国にルーツを持つ子どもが半数を超えた市立小学校もあるほどだ。コンビニエンスストアや飲食店で外国人が働く風景は、もはや珍しくはない。

 「通称名を使う子どもはまだいるが、本名を名乗る子が増えている。国籍についても、...

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