寄付続々「シンボルに」 20年ぶり大規模修繕の日本丸|カナロコ|神奈川新聞ニュース

寄付続々「シンボルに」 20年ぶり大規模修繕の日本丸

次世代に向けて保存活用される帆船日本丸=横浜市西区

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 横浜・みなとみらい21(MM21)地区で保存公開されている帆船日本丸で、20年ぶりとなる大規模修繕が始まった。昨年9月に国の重要文化財に指定されたことをきっかけに、所有する横浜市の事業費の一部をまかなう寄付の動きも着実に進んでいる。帆を広げた優美な姿から「太平洋の白鳥」と称された船体の劣化を食い止め、ミナト横浜のシンボルとして末永く愛されることを目指している。

 日本丸は1930年に建造された練習帆船。約半世紀で1万人を超える船員を育て上げ、84年に引退した。市や横浜商工会議所などが設立した「帆船日本丸誘致保存促進会」が市民から83万人の署名集めと募金活動を繰り広げたことで誘致が成功。85年から総帆展帆など活用を続けてきた。

 市によると、今回の事業費は6億円。文化庁からの補助を受けたが、誘致した当時のように市民や地元企業、団体が一丸となって資金面で支援しようと、市や横浜商議所などは今年6月に「帆船日本丸保存活用促進委員会」を設立。寄付金の目標額を事業費の5%にあたる3千万円と掲げた。

 貴重な歴史遺産を残すために寄付の動きは広がりを見せる。19日には国土交通省の有志23人から寄付があった。発起人には、旧運輸省(国交省)の若手職員研修として旧航海訓練所(海技教育機構)の練習船に乗船経験がある篠原康弘国土交通審議官、水嶋智海事局長ら幹部が名を連ねた。

 2代目日本丸でハワイまで遠洋航海を経験した掛江浩一郎関東運輸局長が、帆船日本丸記念財団の金近忠彦会長に目録を贈呈。同財団は日本丸を管理運営しており、金近忠彦会長は「これからも(実際に航行できる)『生きた船』として保存活用し、海洋国家日本の明日を担う子どもたちの海洋教育・人材育成の拠点として一層活用していく」と力を込めた。

 22日には、日本丸が浮かぶ石造りの旧横浜船渠(せんきょ)第1号ドックと海の間にある扉船で水をせき止め、ポンプによる排水が始まった。全ての水を抜いた「ドライドック」にするために安全と環境に配慮して慎重な作業が続く。市港湾局の担当者は「来年3月末までに工事を終わらせたい」としている。

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 市は来年1月13、14の両日、ドライドックとなった第1号ドックで日本丸の船底などの見学会を開く。対象は市内在住・在勤・在学の中学生以上。2日間で計480人で応募多数の場合は抽選。市港湾局ホームページか往復はがきで申し込む。締め切りは今月26日必着。はがきの記入方法など問い合わせは、市港湾局賑わい振興課電話045(671)2888。

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