美のスター勢ぞろい  岡田美術館、開館5周年記念展|カナロコ|神奈川新聞ニュース

美のスター勢ぞろい  岡田美術館、開館5周年記念展

喜多川歌麿の大作「深川の雪」=岡田美術館

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 岡田美術館(箱根町)の所蔵品からえりすぐりの名品を紹介する「美のスターたち」展が、同館で開催中だ。開館5周年を記念し、過去に同館で開催された展覧会で“スター”として主役を飾った絵画や工芸品など約450点が並ぶ。名品ばかりのぜいたくな展示を、心ゆくまで堪能できる。

 江戸中期に活躍した浮世絵師、喜多川歌麿による晩年の肉筆画の大作「深川の雪」は、28日まで展示(29日以降は精巧な複製画を展示)。江戸の芸者町、深川の料亭で着飾った芸者たちや料理を運ぶ女性など27人が描かれている。

 縦約2メートル、横約3・4メートルという掛け軸としては異例の大きさ。巧みな構図で人物が配され、一人一人が描き分けられている。

 「雪月花」3部作の一つとして描かれたが、1948年に東京で一般公開されたのを最後に、所在先が不明となっていた。同館の開館準備中に国内にあることが確認され、調査、修復を終えた2014年に公開された。

 美人画では、江戸後期に活躍した浮世絵師、葛飾北斎の「夏の朝」、明治、大正、昭和を通して品のある女性像を描いた上村松園の「汐くみ」も見逃せない。

 水墨画には隠れた名品がそろう。横山大観の「霊峰一文字」、小林古径の「麦」、速水御舟(はやみぎょしゅう)の「木蓮(春園麗華)」は、同じ1926年に描かれた近代水墨画の傑作だ。

 世界的にも希少なのが、韓国ドラマ「イ・サン」で知られる朝鮮王朝の名君、正祖(チョンジョ)(1752~1800年)の水墨画「葡萄図」だ。墨の濃淡や伸びやかな筆の跡が味わえる。

 江戸中期に京都で活躍し、緻密な描写と鮮やかな色彩が特徴的な伊藤若冲(じゃくちゅう)の大作「孔雀鳳凰図(くじゃくほうおうず)」は、29日から展示される。

 東洋陶磁のコレクションは国内有数の質量を誇る。青磁が並ぶ一角では、中国・北宋時代(960~1127年)に宮廷用の磁器を作っていた汝窯(じょよう)の「青磁鉢」が目を引く。「天青(てんせい)」と雨上がりの空の色に例えられ、もやがかかったようなふんわりした青色が特徴的だ。

 同館の近森愛花学芸員は「当館に何度かいらした方も、代表作品をまとめてご覧いただける機会です」と来場を呼び掛けた。

 3月30日まで。12月31日と1月1日休館。一般・大学生2800円、小中高校生1800円。問い合わせは同館電話0460(87)3931。

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