同級生が下校途中に事故で死亡 綾瀬高の生徒が一日警察官|カナロコ|神奈川新聞ニュース

同級生が下校途中に事故で死亡 綾瀬高の生徒が一日警察官

県警の警察官に来春採用予定の生徒ら一日警察官を務めた綾瀬高校の3人

他の写真を見る
 昨夏、下校途中に交通事故で亡くなった同級生への思いを胸に県立綾瀬高校の3年生3人が今月、一日警察官を務めて自転車の安全運転を呼び掛けた。このうち1人は県警の警察官を目指して採用試験にこのほど合格、「多くの人が悲しい思いをする事故をなくしたい」と抱負を語った。

 一日警察官は年末の交通事故防止運動の一環で、地元の大和署が呼び掛けた。12日に同校3年の3人が委嘱を受け、大和駅周辺で交通安全を呼び掛けるチラシを配布した。

 3人は県内でも交通事故の発生件数が多い大和、綾瀬両市をパトカーに乗車して巡回。同校に戻り、教職員を前に自転車に関する交通安全講話を開いた。

 「自転車は軽車両で車道を走るのが原則だが、子どもや高齢者は歩道を通行しても良い」「自転車も取り締まりの対象になるので信号順守など交通ルールを守ってください」。3人が強い思いで、そう訴えたのには理由がある。

 同校では昨年8月7日、校門前の市道交差点で当時2年の男子生徒(16)がけん引車にひかれる事故が起きた。夏休み中、午前の部活動を終えて自転車に乗って道路に出た直後の事故で、学校関係者が救命活動に当たったが、男子生徒は帰らぬ人となった。

 同校は鉄道駅から遠い地域に立地しているため、生徒の約7割が自転車通学。この3人のうち、男子生徒と同じクラスだったという一人は「本当に悲しい出来事だった。先生たちが校内のAED(自動体外式除細動器)を持って駆け付けた」と振り返り、「私も自転車通学なので並進して走らないなど交通ルールは必ず守るようにしている」と話す。

 3人のうち、県警の警察官採用試験に合格した生徒は、男子生徒と同じサッカー部に所属していた。「地域の方と交通安全の見守りボランティアを経験して警察官に関心を持った。身近な友人を失うつらい体験をしたので、交通の担当になったら、一つでも多く事故を減らすよう努力したい」と抱負を述べた。

 現場近くの同校敷地内には事故後、慰霊の献花台が設けられた。ただ、安全対策として信号待ちの自転車用待機スペースの整備が予定されており、来春の卒業式以降、撤去や移動を検討しているという。

 同校の教頭は「3年生では他に3人が警察官の採用試験に合格し、例年になく多くなった。学校関係者がショックを受けた今回の事故が志望動機に影響したかどうかは分からないが、亡くなった男子生徒のためにも、地域住民の命を守る警察官として頑張ってほしい」と期待している。

PR