西洋画の巨匠が東京・上野に集結 3美術館で展覧会|カナロコ|神奈川新聞ニュース

西洋画の巨匠が東京・上野に集結 3美術館で展覧会

 西洋画の巨匠たちの展覧会が、東京・上野の三つの美術館で開催中だ。国立西洋美術館の「ルーベンス展」、上野の森美術館の「フェルメール展」、東京都美術館の「ムンク展」で、迫力ある作品の数々を堪能できる。

 17世紀を代表する画家ペーテル・パウル・ルーベンス(1577~1640年)とイタリア美術の関係に着目したのが「ルーベンス展」。ルーベンス作品約40点とイタリアの美術家らの作品約30点が並ぶ。

 現在のベルギーに大工房を構えたルーベンスは、若い頃イタリアに8年間滞在した。古代彫刻やルネサンス美術に学び、カラバッジョら同時代の美術も大いに吸収した。

 監修を務めた美術史家アンナ・ロ・ビアンコは「イタリア美術を吸収し、まねするのではなく、全く新しい美を生み出した。生命力にあふれ、豊かな色彩で見る人の心に迫る。バロック美術の誕生に大きく寄与した人物だ」と話した。

 聖人たちをたくましく、雄々しい姿で描いた祭壇画は、いずれも縦や横が3メートルを超える大作。日本初公開の「聖アンデレの殉教」もその一つで、十字架上の聖人の裸体は老身だが、古代彫刻のように力強い。素早い筆遣いや躍動感にあふれた構図が見られる。

 ヨハネス・フェルメール(1632~75年)はオランダ絵画の黄金期を代表する画家。寡作で知られ、現存作は三十数点とされる。「フェルメール展」では、これまでの国内の美術展史上、最多の9点を公開。一つの部屋に集めて展示しており、見応えがある。
 窓辺で牛乳を注ぐ召し使いを描いた「牛乳を注ぐ女」について、同展を監修した成城大名誉教授の千足伸行は「傑作中の傑作。パン、濃いミルク、陶磁器の質感が完璧。窓ガラスが1枚破れており、冷たい風が感じられる。女性の顔や腕には少し日焼けしたようなたくましさがあり、労働者らしい。リアリティーにあふれた作品」と話した。
 日本初公開は「赤い帽子の娘」(12月20日まで展示)、「取り持ち女」(2019年1月9日から展示)、「ワイングラス」の3点。他にヤン・ステーンら同時代のオランダ絵画約50点も並ぶ。

 「ムンク展」では、エドバルド・ムンク(1863~1944年)の油彩画や版画など約100点を展示。初期から晩年までの作品を通して生涯をたどる。

 見どころは、やはり「叫び」。耳をふさぎ、口を開いた人物からは、不安や絶望が伝わってくる。画面を斜めに横切る橋や、湾曲した赤い空などにも不穏さが漂う。

 同作は画材を変えて描かれた4点が現存し、同展に並ぶテンペラと油彩によるものは日本初公開。所蔵するノルウェーのムンク美術館から出されることは、めったにないという。

 同館の展覧会・コレクション部長のヨン・オーベ・スタイハウグは「遠近法を使って見る人を画面に引き込み、自分の感情をドラマチックに表現しようとしている」と話した。

「ルーベンス展」は2019年1月20日まで。祝日を除く月曜と12月28日から1月1日まで、1月15日休館。一般1600円ほか。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600


「ムンク展」は2019年1月20日まで。12月3、17、25、31日と1月1、7、15日休館。一般1600円ほか。問い合わせはハローダイヤル03(5777)8600


「フェルメール展」は2019年2月3日まで。12月13日休館。一般2500円ほか。日時指定入場制。問い合わせはインフォメーションダイヤル(0570)008035

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