脅迫や右翼街宣で妨害行為 横浜で元慰安婦の映画上映|カナロコ|神奈川新聞ニュース

脅迫や右翼街宣で妨害行為 横浜で元慰安婦の映画上映

警察官がバリケードをつくる中、会場前の道路を右翼団体の街宣車が連なった=横浜市中区(画像を一部修整しています)

 元慰安婦の女性たちを追ったドキュメンタリー映画の上映会が28日、横浜市中区の横浜情報文化センターで開かれた。在日朝鮮人2世の朴壽南(スナム)監督(83)の娘でプロデューサーの麻衣さん(50)に匿名の脅迫メールが届いたほか、会場周辺では作品を非難する右翼団体の街宣車が周回し、警察官が警戒。右翼団体の男性が入場しようとし、上映会スタッフと押し問答になる場面もあった。

 作品は「沈黙-立ち上がる慰安婦」。元慰安婦の15人のハルモニ(おばあさん)が、「法的責任は解決済み」とする日本政府に対して謝罪と補償を求めた1990年代の闘いを中心に描いている。

 10月に茅ケ崎市で開かれた上映会では、極右政治団体幹部を名乗る男性が入場しようとし、右翼団体の街宣車も周辺に押し掛けた。また、この日の上映会に先立つ今月25日には右翼団体の街宣車が会場周辺で上映中止を訴えたこともあり、上映側は警戒していた。

 28日午前、麻衣さん宛てに作品の内容を非難し、在日朝鮮人を差別する内容の匿名メールが届いた。警察官がバリケードを作る中、複数の右翼団体の街宣車が午後8時ごろまで会場周囲を回り、拡声器で「反日」などと叫んだ。午後7時ごろには特攻服姿の右翼団体の男性が会場に入ろうとし、警察官に囲まれ会場を後にした。

 スタッフの男性は「萎縮させることで上映を止めさせるのが彼らの目的。ここで止めると波及する。絶対に上映し続ける」。麻衣さんは「これまで1年間上映を続けてきたが、茅ケ崎までこういう妨害はなかった。韓国の最高裁判所が徴用工として働いた韓国人への賠償を日本企業に命じた判決後、被害者たちが請求すること自体が不当との印象を与える発言を日本政府が続けており、右翼が勢いづいたと思う」と当惑した表情を浮かべた。朴監督は「この映画に対する攻撃はある意味、ヘイトスピーチだ」と訴えた。

 上映会は12月8日にも横須賀市内で開かれる予定で、すでに右翼団体構成員が中止を求めて会場を訪れている。

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