「4年間は人生の宝物」 川崎純情小町☆長嶺さん、年末卒業|カナロコ|神奈川新聞ニュース

「4年間は人生の宝物」 川崎純情小町☆長嶺さん、年末卒業

12月28日のライブで「川崎純情小町☆」を卒業する長嶺あずささん

 川崎市公認のご当地アイドルとして、市内のイベントやライブで活躍する「川崎純情小町☆」。2014年12月に研修生からメンバーに加わった川崎市宮前区出身の長嶺あずささんが、12月28日のライブを最後に卒業する。「4年間、川崎で一番の幸せ者だったと思います」。誰からも愛されるアイドルを目指し、がむしゃらに走り続けてきた。

 ステージ上で歌って踊って笑顔を届けて。きらびやかな世界に飛び込むことなんて、あの時までつゆほども思っていなかった。

 13年6月、「川崎純情小町☆」のメンバーが痴漢を撃退したニュースがテレビ画面に流れていた。当時、県内の美術大に通っていた長嶺さんの心に何かが引っ掛かった。その日、動画投稿サイト「YouTube」で彼女たちを調べた。「めちゃくちゃ格好いいし、かわいい」と、とりこになってしまった。世間ではNHKの連続テレビ小説「あまちゃん」が大ブームとなり、ご当地アイドルへの関心が高まりつつある時期とも重なっていた。

 夢や希望を膨らませて履歴書を事務所に送った。最初は不採用だったが、その1年後、研修生としてチャンスをつかみ、ご当地アイドルとしての扉が開いた。

 「市民の認知度100%を目指したい。小さい子から、お年寄りまで、年齢、性別問わずに愛されるグループになりたい」。そんな小さくない目標を掲げた。高津区の担当として、ライブのチラシ配りやPR役を務めた。チケットを売るために飲食店や商業施設を巡り、多くの人と交流を深めたのも良き思い出だ。

 仲間の脱退で苦しんだこともあったし、会員制交流サイト(SNS)で中傷されたこともあった。それでもメンバーになってから毎日、ツイッターやブログを更新した。消防局や警察署、市場でのイベントに参加した日常をつづりながら、ふと思う。「小町に入らなかったら、川崎をこんなにも知らなかったし、好きにもならなかった」。川崎のご当地検定で合格するなど、今は生まれ故郷の川崎の街や人がとにかくいとおしい。

 年間300を超えるイベントでは子どもたちと同じ視線で向き合い、興味がなさそうな高齢者にも積極的に話し掛けた。積み重ねた努力の先に、あの日の目標がかなうと信じていた。

 JR武蔵小杉駅で自分たちが載ったポスターが掲示され、「川崎純情小町☆」という言葉をよく見聞きするようになった。「グループの成長を考えて、わたし自身も成長してきた。なりたかった小町になれて、やりたいこともできた。違う世界も見てみたい」。昨冬から引退を考え始めた。

 今年10月に卒業を発表し、12月28日の「川崎セルビアンナイト」(川崎区)でのライブでアイドル人生に別れを告げる。「なんか信じられないし、泣きそうになる。憧れていたものになれた時の達成感、人生の宝物ですよね」。頑張ってるね、かわいいね-。そんな言葉を掛けてくれた人たちへの感謝の気持ちを胸に、ラスト1カ月を駆け抜ける。

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