患者減少で赤字拡大 大和市立病院の17年度事業会計決算|カナロコ|神奈川新聞ニュース

患者減少で赤字拡大 大和市立病院の17年度事業会計決算

患者数の減少などで赤字が拡大した大和市立病院=同市深見西

 大和市立病院(同市深見西、五十嵐俊久院長)はこのほど、2017年度の事業会計決算書をまとめた。単年度の赤字は約6億円に上り、額は16年度より拡大した。病床稼働率が70.8%に低下するなど患者数の減少が経営悪化の主な要因になった。同院では経営安定化を目指し、19年度からスタートする次期経営計画の策定を現在進めている。

 決算書などによると、17年度の収益は約111億6千万円に対し、費用は約117億6千万円。差し引きの赤字額は約6億円となり、単年度では2年連続の赤字となった。額も16年度より約4億円増え、累積赤字は約70億8千万円に達した。

 収益を圧迫する主因が患者数の減少だ。入院が16年度に比べて延べ約5千人減の延べ約10万4千人、外来が同約7800人減の同約22万9千人。内視鏡手術の普及による入院期間の短縮傾向に加え、呼吸器内科の担当医に3人の欠員が出たために受け入れ態勢が整わず、403ある病床の稼働率が3・4ポイント低下して70・8%に落ち込んだ。

 また、独立採算が原則の事業会計だが、一般会計からの繰入金は前年度同額の約13億5千万円だった。

 市監査委員は審査意見書で「病床稼働率の目標を80%と引き下げたにもかかわらず、大きく下回る結果となった。18年度は電子カルテの導入や高エネルギー放射線治療装置の整備が予定されており、経営状況を早急に分析して財政状況が速やかに好転することが求められる」と指摘した。

 同院は長年厳しい経営状況が続いていたが、健全化に向けたコスト削減などを進めて11~13年度、15年度は黒字化を達成。しかし、16年度は診療報酬のマイナス改定を背景に再び赤字に転落、入院収益の改善などが課題に挙げられた。

 現行の市病院経営計画(15~18年度)が掲げた収支目標では17年度約1億3千万円、18年度約1億1千万円のそれぞれ黒字を見込んでいた。

 市病院経営戦略室は「電子カルテは来年1月に運用が始まり、業務の効率化が期待できる。呼吸器内科の欠員は今年4月に解消しており、市内の診療所からの紹介を働き掛けるなど連携を強化して入院患者を増やし、経営改善に努めたい」と説明している。

 策定中の次期経営計画については、前回見送った、病院事業管理者の任命など地方公営企業法の全部適用を含め、幅広く改善策を検討しているという。

PR