海遍路を追って(5)自分の足下見詰め直す|カナロコ|神奈川新聞ニュース

海遍路を追って(5)自分の足下見詰め直す

 鳥取県湯梨浜町、泊(とまり)漁港の夜が明ける。深夜に強まった風はすっかり収まっているようだ。テントからはい出て、手早く朝飯を済ませ、2人乗りのカヤックに乗り込む。パドルを回すと全身の筋肉、細胞の隅々までもが目を覚ました。後席から野太い声が聞こえた。

 「ずいぶんうまくなったね。体の動かし方が板に付いてきた感じ。あまり疲れないでしょ」

 カヤックは腰や胸の大きな筋肉を使って漕(こ)ぐのがこつだ。膝やつま先を使い、船を体の一部のようにして推進力を伝えることで、ゆったり漕(こ)いでも時速5~6キロは出る。歩くよりもずっと速い。

 後方からの声の主は「海遍路」の中心メンバーで海洋冒険家の八幡暁(さとる)さん(44)だ。20年ほど前からカヤックでの冒険を積み重ね、フィリピンやインドネシアの漁村、ニュージーランドの孤島をカヤック一つで巡った。2014年2月に沖縄・石垣島から逗子市へ移住して3年、17年3月に再び石垣島へ居を移していた。

 こう切り出した。

 「仮説が崩れそうになっているんだ」
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