小田原発の風魔忍者、ベトナムへ  アジアでアニメが人気|カナロコ|神奈川新聞ニュース

小田原発の風魔忍者、ベトナムへ  アジアでアニメが人気

先月、横浜市中区の日本大通りで開かれたベトナムフェスタでショーを演じる風魔忍者。評判は上々だったという(小田原市観光協会提供)

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 戦国時代、小田原を拠点に暗躍した風魔忍者が、初めて海を越える。ベトナム・ハノイ市で今月行われる「KANAGAWA FESTIVAL in HANOI」への出演が決定。海外進出は外向けのアピールだけではない。狙うのは知名度の“逆輸入”。異国での反響を国内での伊賀、甲賀に続く知名度向上につなげたい考えだ。

 後北条氏5代に仕えたとされる風魔忍者。関東一円で影働きに従事したものの、1590年の小田原落城後、歴史の表舞台からこつぜんと消えた。そのため、信ぴょう性の高い文献史料は少ない。記録を残さないことこそが真の諜報(ちょうほう)集団の姿ではあるが、江戸時代に入っても活動した伊賀、甲賀などの忍者組織と比べ、光が当たる機会は多くない。

 「他の地域と比べて展開しづらい面がある」とは風魔忍者のPRを担う小田原市観光協会理事の鈴木伸幸さん(FM小田原社長)。ただ、こうも言う。「日本での知名度は確かに劣るが、『海外の方が風魔を知っている』と言う人がいる」

 近年、アニメやゲームで風魔忍者が取り上げられる機会が増加。アジア圏を中心に人気を集めているという。「『忍者』は海外で『東京』より知られている日本語。インバウンド(訪日外国人客)が入ることで国内でも改めて認めてもらえるのではないか」と同協会の外郎藤右衛門副会長。狙うのはベトナム公演がもたらす波及効果だ。

 ショーは2日間、30分の2回公演。俳優の合田雅吏さん演じる頭目の下、町娘を敵の手から救うストーリーで、アクロバティックな演出と、津軽三味線、和太鼓、しの笛といった和の音色で異国の民を魅了する。フェスティバルでは現地の人気アーティストの公演もあり、万単位の集客も予想されるという。

 ショーのタイトルは「風魔忍者-レジェンドオブ小田原」。もっとも、伝説の存在を日の当たる場所へ引き上げるためには、公演が全てではない。

 “忍者の里”としてのアピールを強める地元では、多彩な催しが楽しめる「風魔まつり」を開催してきたほか、来年4月には小田原城址公園内の歴史見聞館が風魔忍者を中心とした展示内容に一新する。

 「ショーでPRするとともに、施設を核に日本人としての礼や所作を学ぶといった部分も大事。歴史文化ある町なので両方しっかりやっていきたい」と外郎副会長。忍者-風魔-小田原。そのつながりを築きたい。時を超えた逆転劇を思い描いている。

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