茅ケ崎市長選(下)再整備 財政圧迫 苦心続く|カナロコ|神奈川新聞ニュース

茅ケ崎市長選(下)再整備 財政圧迫 苦心続く

わがまちの行方 2018ミニ統一選

茅ケ崎市役所分庁舎の前に残る仮設庁舎跡地。民間に貸し付けられる予定となっている=同市茅ケ崎1丁目

 〈市役所仮設庁舎跡地の貸付事業者を募集します〉

 茅ケ崎市がこう題した募集をホームページに掲載したのは今月2日だった。

 市は2013~15年、新庁舎の建設工事を実施。16年には新庁舎近くに建てられていた仮設庁舎が解体され、現在は更地になっている。仮設庁舎跡地(同市茅ケ崎1丁目)の民間への貸し出しは、財政難に苦しむ市が歳入を確保するため、新庁舎の建設とともに計画された。

 市によると、貸付面積は1779平方メートル。1平方メートル当たりの地代単価は年額7352円。全体の想定賃料は年額1308万円となる見込みという。

 市は貸付事業者の募集に当たり、「集客性のある施設」を想定。業者からの応募内容を総合評価する「公募型プロポーザル方式」で選定し、20年7月ごろに契約を結びたい考えだ。

 ある市幹部が言う。「市の公共施設や公有地といった既存の資産を活用、流動させ、いかに税収を増やしていくか。財源確保の策を練らないといけない」

      ■■

 この市幹部の表情が険しかったのは、今後もコストの大きい公共施設の再整備が続くためだ。

 今年4月、市は「公共施設整備・再編計画」の改訂版を公表した。

 計画によると、整備対象は、道路や橋、下水道などを除いた旧耐震基準(1981年以前)で建てられた公共施設など。その事業費は08年度から18年度までの11年間で総額253億4300万円に上る。

 既に市役所本庁舎や市体育館などの建て替え、改修は済んでおり、市は「18年度中に事業費ベースで約7割の整備を終える予定」とする。残るのは、19年度から計画が完了する24年までの6年間の108億円超分だ。

 その中には、学校施設も含まれる。耐震工事は全校で実施済みだが、内外壁の改修や設備機器の更新などが必要で、小学校5校、中学校6校の改修はこれからになる。その事業費は108億円超のおよそ半分、53億3千万円とされている。

      ■■

 再編計画が示される2カ月前、服部信明市長は18年度当初予算案を発表した際にこう述べた。

 「将来に向けた施設の安全性を高めていくことを進めながらも、過度な負担にならないよう事業配分をしていく視点は大事だ」

 これまで繰り返してきた歳出抑制と事業整理を改めて強調した服部市長だが、市の借金に当たる市債の発行額は過去最高の98億9870万円。台所事情は年々厳しさを増し、借金と貯金の切り崩しに頼らざるを得ない状況が続いている。

 仮設庁舎跡地の貸し出しなど市は歳入増へ尽力するものの、打開策はなかなか見いだせていない。

 あるベテラン市議は危機感をにじませる。

 「緊急性を伴わない事業は計画を先延ばしにするなどして支出を抑えてきたが、それも限界に来ている。これからは、いかに歳入を増やしていけるかが重要となる。超少子高齢化が迫る中で、行政も議会も知恵を絞っていかないといけない」

公共施設整備・再編計画 1981年以前に建築され、耐震性に課題のある公共施設の再整備を計画的、効率的に行っていくための計画。これまでに市役所本庁舎、市体育館などが再整備された。2008年の策定以降、3年ごとに見直しをしており、最新版は18年4月の改訂版。

PR