高レベルだった旧横須賀造船所内の教育機関「黌舎」、120年前の教科書など発見|カナロコ|神奈川新聞ニュース

高レベルだった旧横須賀造船所内の教育機関「黌舎」、120年前の教科書など発見

山崎が卒業直前に作製した排水ポンプの図面

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旧横須賀造船所(横須賀市)内の教育機関「黌舎(こうしゃ)」で学んだ生徒の教科書やノート、図面などが横須賀市内の親族宅で見つかった。保存状態もよく、約120年前の教育内容が分かる貴重な資料。入学志願書も初めて確認された。調査した横須賀市自然・人文博物館の安池尋幸学芸員は「日本の近代化に貢献した黌舎の教育レベルの高さが裏付けられた」と評価している。

この生徒は、三浦市出身の山崎庄治郎。文久3(1863)年に生まれ、明治13(1880)年に造船所に雇われた。2年後の15年から4年間、黌舎で造船技術を学び、卒業後は中堅技術者である海軍技手となった。

黌舎は明治3(1870)年にフランスの教育制度を模範として設立された。同10年代以降は多くの職人生徒が入学するようになり、造船や造機の知識を学んだ。山崎が入学したのは、ちょうどこの時期にあたる。

見つかった資料は山崎が授業で作製したスクリューやポンプ、歯車などの図面のほか、工業概論の教科書、代数の問題集、ノート、入学志願書、卒業証書、仲間と撮影した記念写真など約50点。

図面には作製年月日が記載されており、製図能力が向上する過程が一目で分かる。安池学芸員は「わずか2、3年で初歩レベルから高度なレベルに達している。習熟度は早い」と驚く。

山崎の親族が市民団体「横須賀の文化遺産を考える会」のメンバーだったことから、全資料を同会の長浜つぐお代表に託した。長浜代表は「黌舎の歴史を語る貴重な資料として、博物館に寄贈したい」と話している。

11月3日に開催する同博物館主催の郷土研究発表で一部の資料を展示する。

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