西日本豪雨、蔵書水没の被害 岡山・愛媛の図書館が横浜で報告|カナロコ|神奈川新聞ニュース

西日本豪雨、蔵書水没の被害 岡山・愛媛の図書館が横浜で報告

有識者らによるトークでは、災害時に図書館が果たすべき記録保存の大切さも共有された=パシフィコ横浜

 西日本豪雨で被災した岡山、愛媛県内の図書館による報告会が30日、横浜市西区であった。蔵書などの水没被害の深刻さとともに、4カ月近くがたった今も終わらない復旧作業の険しさを説明。貴重な郷土資料を後世に引き継いでいく上で、設備面を含めた災害への備えが欠かせないことを共有した。

 河川の氾濫で広範囲に浸水した岡山県倉敷市真備町の市立真備図書館は、3メートル以上の高さまで水に浸かった。約13万冊ある蔵書の全てが水没し、再開のめどは立っていない。

 藤井広美館長は館内の被害について「本を踏まなければ歩けず、つらかった。はがれ落ちた天井の隙間にも本が入り込み、かびもひどかった」と強調。真備町の浸水範囲は事前の想定とほぼ同じだったが、「ハザードマップのことをもっと伝えておくべきだった」とリスク情報を発信する役割も重要とした。

 愛媛県内からは、宇和島市や大洲市の状況が報告された。「2メートル以上浸水した分館では書棚がゆがみ、水にぬれて膨張した本を抜き取れず、チェーンソーなどを使いながら解体作業を進めた」(大洲市立図書館)などと、予期せぬ水損への対応が後手に回った経験が明かされた。

 続いて行われたトークでは、2015年の関東・東北豪雨で浸水した茨城県常総市立図書館の間中辰弥司書が「図書館員である前に市職員として対応しなければならない」と、図書館の復旧を後回しにして避難所運営などに従事せざるを得ない悩ましさを吐露。水没して悪臭を放つ資料の修復などに時間を要し、1年後にようやく再開できたと伝えた。また、被災地の図書館が果たすべき重要な役割として、手書きも含めた災害関連の記録や資料の収集が挙げられた。

 報告会やトークは、11月1日までパシフィコ横浜で開かれている図書館総合展の一環。同展の運営委員会と防災科学技術研究所が主催した。

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