地域交通課題解決へ 金沢区で電動小型低速車の実証実験|カナロコ|神奈川新聞ニュース

地域交通課題解決へ 金沢区で電動小型低速車の実証実験

実証実験が始まり、急な坂道を走る電動小型低速車=横浜市金沢区

京急と横浜国立大、横浜市が連携


 環境負荷の少ない新交通システム「電動小型低速車」を活用した実証実験が29日、横浜市金沢区の富岡西地区で始まった。京浜急行電鉄、横浜国立大学、横浜市が連携。急な坂道が多く、バス停や最寄り駅まで遠いといった地域交通の課題解決を目指す産学官連携の試みだ。地区内に二つのルートを設定。11月18日までの実験で、住民ニーズや課題を検証し、本格導入を検討する。京急などによると、同システムの実証実験は首都圏で初めて。

 京急が、交通エコロジー・モビリティ財団の募集した実証実験に応募、採択された。2018年度は金沢区と石川県輪島市、松江市の全国3地域で実施。京急が横浜国大、市とそれぞれ締結している連携協定に基づく取り組みの一環でもある。

 京急によると、富岡西地区では高齢者らを中心に、移動の不便さを訴える住民が多い。実証実験では、急な坂道を移動するルート(1周約4キロメートル、運行間隔約25分)と、道が狭いなどの理由で既存バス路線が運行できないルート(約5・4キロメートル、同約30分)を設定。1時間当たり2~3便運行し、坂道の移動や買い物の支援、バス路線までの補完的機能を担う。

 使用する電動小型低速車は、運転手を含め4人が乗車可能。最高速度は時速19キロで、京急グループのタクシー会社の社員が運転手を務める。事前登録した住民のみ無料で利用でき、ルート途中に設定された停留所で乗り降りする。位置や乗車人数といったリアルタイムの運行情報を、スマートフォンから確認できる仕組みとなっている。

 横国大大学院都市イノベーション研究院の有吉亮特任准教授は「完成形ではなく(地域の交通システムを)育てていくための第一歩。(実験で得た)データを分析し、地域課題の解決につなげたい」と話した。

 金沢区富岡西4丁目に住む地元・ひかりが丘町内会の井上一成会長(72)は「約550世帯のうち200人以上の住民が77歳以上の高齢者。急な坂道も多いので、本格導入されれば便利になると思う」と期待を寄せていた。

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