港WORKER:日本食、安価で届ける|カナロコ|神奈川新聞ニュース

港WORKER:日本食、安価で届ける

商社経営・井阪礼三さん

「日本の食文化を世界中に広めたい」と話す井阪さん=横浜市中区のショーライ

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 日本食のブームが海外に広がる中、横浜港を拠点に日本食材を輸出する商社が横浜市中区にある。取り扱うのは、実に約3500種類。「スーパーにずらりと並ぶ食材は、ほとんど網羅しています」と話すのは、「ショーライ」社長の井阪礼三さん(62)だ。貿易事業の拡大を通じて「日本の食文化を世界中に広めたい」と言葉に熱を込める。

 訪日観光客の増加と相まって世界中で親しまれつつある日本食。しかし海外では比較的高価なため、現地の市場ではなかなか浸透しないという悩みがあった。

 大手食品卸売会社で長年働いた井阪さんは、1991年に元上司が興したショーライに2002年に入社。現地の市場を徹底的に調べ上げた上で、日本で流通している食材を少量多品種で輸出している。

 「確かに手間は掛かるが、日本の商品をタイムリーに安価で届けるのが私たちの仕事」と、きっぱりと言い切る。海外のスーパーやレストランなどの取引先では実際に調理しながら商談。調味料の使用法や食材の調理法を丁寧に紹介して販路を拡大してきた。

 「店頭で売ってくれる人たちに安心して扱ってもらいたい」と完成した料理の写真パネルを準備し、井阪さんは自ら現地スーパーでの店頭販売にも立ち会う。

 これまでに韓国や台湾、香港をはじめ、インドやフィリピン、タイ、アラブ首長国連邦(UAE)、そして欧州諸国と、輸出先は多岐にわたる。今年に入ってルーマニアやポーランドなどにも進出。さらに輸出先を増やすことで、日本食の裾野を広げていく考えだ。

 国内で流通している食材の場合、相手国や地域によっては認可外の食品添加物をはじめ、特定の肉類やアルコールが含まれていると輸出できないことがある。

 メーカーの担当者と海外出張を重ねて現地調査をした上で、輸出用商品を共同開発したことも。「日本食を信頼し、販売に協力してくれる現地の人たちに応えたい」との思いが、日本のメーカーを動かした。

 事務所は、レトロな雰囲気の横浜貿易会館(中区海岸通1丁目)にある。従業員はわずか5人だが、商品の仕入れや船の手配から出荷の立ち会いまで、担当する一人が全ての作業を通しで行うというルールを課す。社長である井阪さんも例外ではない。

 「自らの手で、責任感を持って商品を届けることが大事だからね」

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