下水道の水位を周知 横浜駅西口でゲリラ豪雨に備え 2020年度から|カナロコ|神奈川新聞ニュース

下水道の水位を周知 横浜駅西口でゲリラ豪雨に備え 2020年度から

水位周知に向け、試験計測が行われている横浜駅西口のマンホール=横浜市西区

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 短時間で局地的に激しく降るゲリラ豪雨の多発を受け、横浜市は2020年度から横浜駅西口で、雨水が流れ込む下水道の水位周知に乗りだす。全国的にも珍しい試みで、水害リスクの高い西口の地形的な課題を考慮。浸水被害が懸念される地下街からの避難などに役立ててもらう。また、現在進められている再開発に合わせ、新たな下水道管や排水ポンプ場をおおむね10年後を目標に整備。民間事業者にも協力を求めて雨水の貯留容量を増やし、施設面も含めて“弱点”の解消を目指す。

 一連の対策は、市の「下水道事業中期経営計画2018」の原案に盛り込まれた。市は11月にも計画を確定し、実現を図る。

 水位周知に向けては1月、地下街の出入り口付近などにあるマンホール4カ所に水位計を設置。大量の雨水が流れ込んだ時の水位をいち早く検知できるよう試験計測をすでに始めている。

 観測された水位の情報を提供し、氾濫発生前の地下街利用客らの避難や浸水対策につなげることが狙いだが、下水道は構造が複雑で河川の水位変動の影響も受けるため、流入した雨水と氾濫との相関がつかみにくいという課題がある。

 このため、まずは観測データを蓄積しながら、設置場所の妥当性などを検証する。地下街事業者が軸となる周知の対象や方法についても「どのような形とするか、今後具体的に検討していく」(下水道事業マネジメント課)としている。

 横浜駅西口は地盤が低い上に海や帷子川水系の河川に囲まれ、台風や豪雨時の氾濫危険性が高い。04年10月の台風では地下店舗が天井まで冠水するなどの被害が出ており、河川の洪水対策を含めた施設面の強化も大きな課題となっている。

 下水道に関しては、1時間60ミリの雨に対応できる構造になっているが、中期経営計画の原案では、これまでの市内の降雨実績を踏まえ、1時間74ミリへ対応能力の向上を目指す方針を明記した。そのため、延長約5キロの雨水幹線と排水用のポンプ場を新たに整備。加えて、大規模開発事業者に敷地内への雨水貯留施設の設置を求め、1時間82ミリの雨を受け入れられるようにする。

 そうした民間の取り組みを後押しするため、市は17年1月に地下街やバスターミナルを含む駅前の中心部約30ヘクタールを下水道法に基づく浸水被害対策区域に全国で初めて指定。貯留施設を設ける民間事業者が国庫補助を活用できるようにした。

 西口では、商業施設やホテルなど既存の事業者も水害対策を拡充している。地下街に通じる出入り口に設置する止水板の高さをそろえるとともに、大学などと開発したアプリでリアルタイムの雨量や河川水位の情報を共有し、利用客の安全確保に向けて取り組んでいる。

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