海と船の変遷、絵本で 横浜みなと博物館|カナロコ|神奈川新聞ニュース

海と船の変遷、絵本で 横浜みなと博物館

明治以降の原画など200点

柳原良平画「しょうぼうていしゅつどうせよ」の大型絵本も登場した企画展「絵本でたのしむ 海と船」=横浜みなと博物館

 海や船をテーマにした絵本の歩みを代表作でひもとく企画展「絵本でたのしむ 海と船」が20日から、横浜・みなとみらい21(MM21)地区の横浜みなと博物館で始まる。明治から現在まで日本で出版された絵本と原画約200点を展示。四方を海に囲まれた日本で暮らす子どもたちが絵本を通して親しんできた海と船の変遷を、色彩豊かに紹介している。

 乗り物を取り上げた絵本は数多く出版されており、絵本は世相を色濃く反映してきた。明治期は日本の近代化に貢献した汽船や汽車が積極的に描かれた。昭和初期には観察絵本「キンダーブック」が登場し、子どもたちに多様な知識を与えてきたが、戦時体制が敷かれると「講談社の絵本 センスヰカン」(1942年)など戦意高揚を図る絵本が相次いで出版された。

 戦後は船を登場人物にした多彩な物語が描かれるように。イラストレーターで画家の故・柳原良平さんが描いた「たぐぼーとのいちにち」(福音館書店、59年)をはじめ、さまざまな船を絵本化した。平成に入ってからは、子どもたちに船や海への関心を持ってもらおうと作家が綿密に取材した作品が出版された。石橋真樹子さん「フェリーターミナルのいちにち」(2008年)、谷川夏樹さん「かもつせんのいちにち」(18年)の原画からは、その丁寧な仕事ぶりを垣間見ることができる。

 19日には、企画展の関連事業「海と船の絵本コンテスト」の表彰式が開かれた。最優秀賞に輝いた「海のいろはなにいろ?」の作者で横浜市在住の平岡久美子さんらに表彰状が贈られた。全国から18~76歳が応募した全39点も展示する。

 審査委員長を務めたイラストレーターで絵本作家のヒサクニヒコさんは「今の暮らしは多くの船に支えられている。そんな視点の絵本もあり、海と船は本当に深いテーマだと感じた」と総評した。

 12月9日まで。毎週土曜日は絵本の読み聞かせ会を開く。谷川夏樹さんと作る「コンテナくん」の絵本ワークショップは11月4日午後2時からで、事前申し込みが必要。入館料は一般200円、小中高生・65歳以上100円。月曜休館。問い合わせは、同館電話045(221)0280。

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