疲弊した人間性を蘇生 川崎でイサム・ノグチと岡本太郎の企画展|カナロコ|神奈川新聞ニュース

疲弊した人間性を蘇生 川崎でイサム・ノグチと岡本太郎の企画展

明かりをテーマにしたイサム・ノグチと岡本太郎の作品などが展示された企画展=市岡本太郎美術館

 欧米で活躍し日本文化を見つめた2人の芸術家に焦点を当てた企画展「イサム・ノグチと岡本太郎-越境者たちの日本」が、川崎市岡本太郎美術館(同市多摩区枡形)で開かれている。同館は「戦後の疲弊した人間たちを元気づけようとしたところに共通点がある」と解説、来場を呼び掛けている。

 米国籍の彫刻家イサム・ノグチ(1904~88年)と岡本太郎(1911~96年)は、50年に出会い親交を深めた。共にフランス・パリで学んだ経験があり、個性の異なる2人の絵画、彫刻、写真など計約150点を展示。明かりをテーマに「日本美」を創造した2人の作品が会場を彩る。

 イサム・ノグチらが慶応大構内に制作した「萬來舎(ばんらいしゃ)」(ノグチ・ルーム)と、太郎による旧東京都庁舎の陶板壁画の両作品は、取り壊しの憂き目に遭った経緯があり、芸術の保存と破壊について考えるコーナーもある。

 学芸員の佐々木秀憲さんは「何の関わりもないと思っていた2人が一緒に親しげに写っている1枚の写真を見つけ、その関係性に興味を持った。初の企画展で、抽象芸術で疲弊した人間性を蘇生させようとした共通点が浮かび上がった」と話している。

 企画展は来年1月14日まで。11月4日には慶応大アートセンターの渡部葉子教授が「萬來舎とノグチ・ルーム」と題した記念講演を行う。観覧料は一般千円、高校・大学生・65歳以上800円、中学生以下は無料。記念講演は無料。問い合わせは同美術館電話044(900)9898。

PR