手話ダンスを世界に 平塚発のグループ HAND SIGN|カナロコ|神奈川新聞ニュース

手話ダンスを世界に 平塚発のグループ HAND SIGN

手話で歌詞を表現し歌うダンスグループ「ハンドサイン」=JR平塚駅前のラスカ平塚

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 手話と歌、ダンスを組み合わせたパフォーマンスで知られるグループ「HAND SIGN(ハンドサイン)」が、9月にメジャーデビューを果たした。ゆかりのある平塚市から世界に活動の場を広げてきた男性2人組は、県内の学校を回るなどして手話の普及にも努めている。市まちづくり財団の親善大使にも任命され「みんなが手話で『ありがとう』を言えるような世の中にしたい」と意気込んでいる。

 先月29日、JR平塚駅前の商業施設ラスカ平塚の屋外ステージ。10日前にユニバーサルミュージックからデビューシングルをリリースしてから初となる「凱旋(がいせん)ライブ」が開かれた。

 デビュー曲のタイトルは「僕が君の耳になる」。アマチュア時代を含めて、曲は聴覚障害者と健常者の恋愛や家族模様など実話を基にしたものも多い。

 手話で歌詞を表しながらダイナミックなダンスを披露し、300人の観客を魅了。メンバーの一人、SHINGOさんは「13年前にこの平塚駅でブレークダンスの練習をし、今はデビューして戻ってくることができた」と手話を交え、地元への感謝を口にした。

 ハンドサインは、2005年に結成。当初は5人組だったが、現在はSHINGOさんとTATSUさんの2人組で活動する。

 二宮町立二宮西中学校の同級生で、それぞれ平塚市内の別の高校に通いながら一緒にダンスの練習に明け暮れた。午後10時を過ぎたJR平塚駅の階段の踊り場が、当時の2人にとってのステージだったという。

 ダンスと手話の融合を思い付いたのは、04年に放映された男子大学生と聴覚障害のあるヒロインとの青春を描いたテレビドラマ「オレンジデイズ」がきっかけ。TATSUさんは「耳が聞こえる人にも聞こえない人にも音楽を届けたい」と思い、手話教室に通いながら地道に試行錯誤を続けてきた。

 米ニューヨークの伝統ある舞台「アポロシアター」での活動を経て、14年には手話の普及のために、県内の中学校や高校で公演も開始。これまでに計70校を巡ったほか、平塚市内で続ける手話ダンス講座も5年目を迎えた。草の根の運動は徐々に実を結び始めたと感じている。

 中高生向けの動画配信アプリに手話ダンスの映像が公開されることも増えた。パフォーマンスを見て福祉の現場を志す生徒もいる。TATSUさんは「公演後にはみんな、手話のイメージが変わって勉強したいと言ってくれる」と自信を見せる。

 「湘南ひらつか七夕まつり」のステージに毎年出場している縁もあり、地元のPR役として市まちづくり財団から親善大使「湘南ひらつかアンバサダー」の大任を引き受けた。TATSUさんは「平塚が手話ダンスの街に向かって走っているということを発信したい」と言えば、SHINGOさんも「平塚に育ててもらった恩を返したい」と口をそろえた。

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