海外で人気博す 小原古邨の木版花鳥画展 茅ケ崎市美術館|カナロコ|神奈川新聞ニュース

海外で人気博す 小原古邨の木版花鳥画展 茅ケ崎市美術館

木版花鳥画の逸品が並ぶ小原古邨展会場

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 高砂(たかすな)緑地内にある茅ケ崎市美術館(同市東海岸北1丁目)で、同緑地一帯を別荘地として所有していた実業家原安三郎(1884~1982年)が収集した小原古邨(おはらこそん)の木版花鳥画展が開かれている。開館20周年記念「版の美」シリーズの第2弾。原の別荘の建築模型や書作品を展示するなど、展示室の一室を原安三郎コーナーにして、美術館との縁にもスポットを当てている。

 古邨は明治後期から昭和初期に活躍した日本画家。版元と組んで下絵を担当した多色刷り木版画は、輸出販売を念頭に制作された。高度な技を使い、肉筆と見まがう精緻な仕上がりで、海外で人気を博した。

 「原安三郎コレクション 小原古邨展-花と鳥のエデン」では、熱心な浮世絵コレクターだった原が集めた古邨作品230点に参考出品の花鳥画を加えた計252点の木版画を、前期・後期に分け、126点ずつ展示。

 担当者は「古邨は日本ではあまり知られていないが、世界初公開となる今回のコレクション作品群は、ほとんどが丁寧に作業された初摺(しょずり)で、保存状態も良好。見応えのある展覧会」と胸を張る。

 日本化薬の社長を長く務め財界の重鎮だった原は、大正期に別荘地として高砂緑地一帯を購入、茶室や日本庭園も整えた。南欧風の松籟荘(しょうらいそう)は、茅ケ崎の別荘文化を代表する建物として知られた。1984年に茅ケ崎市が敷地を購入し緑地公園として公開。その際、松籟荘は老朽化のため解体したが、玄関の前庭と塀の一部は今も美術館の建物脇に残っている。

 原安三郎コーナーでは60分の1サイズで今回のため作った松籟荘の模型を中心に、松籟荘の写真や実際に使われた家具を展示。「財界三筆」と称された原が筆をふるった屏風(びょうぶ)や掛け軸などの書作品も並ぶ。

 同展は11月4日まで。一般700円ほか。前期(10月8日まで)の券を提示すれば後期(同11日から)入場は200円引き。月曜(休日の場合は翌火曜)と10月10日は休館。問い合わせは同館電話0467(88)1177。

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