失敗も今の自分つくる きつい現場ほど好き|カナロコ|神奈川新聞ニュース

失敗も今の自分つくる きつい現場ほど好き

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/10/07 10:21 更新:2018/10/07 11:48

【K-Person】西島秀俊


 田舎の遊園地を舞台に、働くやりがいを見いだしていく若い女性の成長を描いた映画「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」。波瑠さん演じるヒロイン久瑠美(くるみ)に、身をもって仕事の楽しさや厳しさを気付かせるカリスマ上司小塚(おづか)をユーモアたっぷりに演じた。

 「腕の立つ共演者に囲まれて、皆さんでわーっと楽しくやっていました。出来上がりを見て、こんなに笑っていたんだと自分でも驚いたくらい」とほほ笑む。

 久瑠美は園内のごみ拾いを指示する小塚に「嫌がらせだ」と反発。仕事を理解するために必要なことだったと後になって理解する。そんな久瑠美の姿に「若手の頃、僕もとんちんかんな行動をとっていたと思います」と自らを重ねる。

 「先輩たちが『やってみろ』と言ってくれて、いろいろな経験をさせてもらった。『やめろ』と言うのは簡単だったでしょうが、失敗もたくさん経験させてくれた。今になってみると、誰かがフォローしてくださっていたと分かるが、そういう体験が今の自分をつくっていると感じます」

 近年はシリアスな役柄が多いが、どの作品でも明るい、暗いといった受け止め方はしていないという。

 「誰よりも現場で楽しく、と思っています。とにかく現場が好きで。裏で苦労するということは、もちろんありますが、きつければきつい現場ほど好きですね。きつい思いをしながら、ワンカットでもいいものが撮れるとうれしい」とおおらかに笑う。

 子どもの頃から映画が好き。「大学でいろいろと勉強する中で、やっぱり映画に関わりたくて」と、横浜国立大在学中に俳優デビューした。

 だが、俳優としてずっとやっていけるとは思っていなかった。「一つの仕事をもらったら、その都度必死にやるけれど、全然うまくいかない」。いつも挑戦する思いでやってきたという。

 「仕事があまりない時期もあって、そういうときは映画館に通いました。ゆっくり遠回りしながらやってきました。今も、もっともっといろんなことを勉強したいという気持ちがある。俳優をやっている方は、みんな同じだと思います」

にしじま・ひでとし 俳優。1971年生まれ、東京都出身。94年「居酒屋ゆうれい」(渡邊孝好監督)で映画初出演。以来、数多くのドラマ、映画に出演。近作ではドラマに「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(2017年)、「奥様は、取り扱い注意」(同年)、映画に「クリーピー 偽りの隣人」(16年黒沢清監督)、「ラストレシピ 麒麟の舌の記憶」(17年滝田洋二郎監督)、「散り椿」(18年木村大作監督)、「人魚の眠る家」(同年11月公開、堤幸彦監督)、「空母いぶき」(19年公開、若松節朗監督)などがある。09年ヨコハマ映画祭助演男優賞受賞。
26日から横浜ブルク13などで上映される「オズランド 笑顔の魔法おしえます。」(波多野貴文監督)に出演。


記者の一言
 取材現場にさっそうと現れた西島さん。画面で見たままのすてきな話しぶりに、日々の仕事の疲れも吹き飛んだ。学生時代の話では「八王子の自宅から横浜に通っていました。横浜線で横浜に…」。相鉄線に乗り換えですね、と確認すると「相鉄線、うわあ、懐かしいなあ」と笑みをこぼす姿に親近感を抱いた。

 「オズランド」のロケ地は熊本にある遊園地グリーンランド。園長をはじめ作品中のモデルとなったスタッフもいる。「映画と同じように、麦わら帽子をかぶって自ら掃除している園長さんです。園の雰囲気もエキストラの皆さんもあったかい。乗り物も多いし、ぜひ行ってみてください」と西島さん。「プールに信じられないくらい急な角度の滑り台があって。僕は怖くて無理です」とも。


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