厚木の新たなランドマークへ 本厚木駅南口再開発プロジェクトを語る(後編)|カナロコ|神奈川新聞ニュース

厚木の新たなランドマークへ 本厚木駅南口再開発プロジェクトを語る(後編)

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/09/23 02:00 更新:2018/10/04 15:40
 神奈川県の中央に位置し、大山や相模川など豊かな自然に恵まれ、江戸時代から交通の要衝としても大きな役割を担う厚木市。新東名高速道路の整備などにより、厚木市が担う首都圏への流通・業務機能はますます高くなると期待が寄せられている。

 小田急線「本厚木」駅は1927年に「相模厚木」駅として開業。44年に現在の駅名に改称され、県央地区の商業の中心地としても発展してきた。中でも厚木市の中心市街地である小田急線本厚木駅の南口地区市街地再開発事業は長年待ち望まれてきた事業で、今年3月に駅前広場および建築本体工事が着工された。人や車のスムーズな動線とストレスのない歩行空間が整備された新たな駅前広場、商業・業務・居住などの複合的な都市機能を備えた再開発ビルの二つが2020年度の竣工を目指し工事が進められている。

 本厚木駅の新たな顔としてまちのにぎわいと繁栄のシンボルとなるとともに、県央地域の新たな交流拠点、新たな経済効果を創出する場として、その完成に大きな関心と注目が集まっている。この南口再開発プロジェクトが生まれた経緯や、これからの「本厚木」駅が担う役割について有識者の方々に話を伺った。(文中敬称略)▶前編はこちら

(出席者)
●厚木市長 小林 常良
●厚木商工会議所会頭 中村 幹夫
●本厚木駅南口地区市街地再開発組合理事長 柳田 光太郎
●三菱地所レジデンス 代表取締役 取締役社長 脇 英美
〈コーディネーター〉 中村 卓司 神奈川新聞社常務取締役


魅力度をアップ、周辺地域の活性化のためのランドマークに


 ―再開発事業で期待できる具体的な効果についてお聞かせください。

 小林 組合が施工する駅前広場の拡充整備では、これまでのバスとタクシーのほか、新たに一般車の乗降場を設置して利便性の向上を図っていきます。歩行者については、歩道の拡幅による安全な歩行者空間の確保とともに、駅前と一般車乗降場を結ぶ歩行者デッキを新設。歩行者の道路横断を防止することで、より安全で快適にご利用いただけるものと考えています。

 組合が施工する商業・業務・居住が一体となり複合的な都市機能を備えた地上22階建ての再開発タワーは、新たな玄関口として本市の魅力をさらに高めてくれるものと確信しています。土地の高度利用と周辺の不燃化率の向上はさらなる民間開発の誘発につながり、それが今後の地域の活性化と経済の好循環となることを大いに期待しています。

 また、厚木市では市外に居住する方を対象に、新たに市内で親世帯と子世帯が近居・同居を始める際に、住宅取得の費用等について補助する「親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金」を制度化しています。若年世代から高齢者まで互いに支え合えるまちづくりの実現を目指すために導入されたものですが、厚木の魅力の高まりは、こうした制度の有効的な活用を促進するとともに、多くの方々が厚木への定住を考える契機にもつながると考えています。

 中村 市内に立地する企業には本厚木駅からのバス利用者が非常に多く、交通環境や歩行環境が整うことによって、通勤時間の短縮や通勤の利便性が向上することは、通勤ストレスの軽減と併せて業務の効率化にもつながるものと考えています。

 また、本厚木駅周辺には、仕事帰りに同僚や仲間とお酒を酌み交わし、交流を深められる魅力的なお店が多く点在しており、中でも南口は個性的で魅力あるお店が多いエリアです。この再開発事業が完成することで、さらなる南口の魅力度アップにつながり、南口ファンの増加とともに、周辺地域の商業の活性化にも期待を寄せています。

 ―最後に皆さまよりそれぞれのお立場から本厚木再開発に取り組む抱負をお聞かせください。

 小林 「歩いて楽しいまち」をテーマに掲げ、子どもから高齢者までが快適に利用できる利便性の高い都市機能の整備を進めています。今後も北口周辺の整備など中心市街地の再整備が検討されています。
 こうした駅前の活性化とともに新たな産業拠点の創出、新しいインターチェンジの設置をはじめとした広域的な道路交通網の整備により、厚木市の都市機能はますます高まります。これからも将来を見据えたまちづくりを進め、市民の皆さんとの協働で「元気なあつぎ」をつくります。

 中村 超高齢社会や少子化が進行する中、まちの持続的発展には活発な企業活動の維持・発展が欠かせません。厳しさを増す都市間競争を勝ち抜くには、中心市街地の活性化は大変重要な要素であります。このたびの南口の再開発事業が、まち全体の活性化につながる起爆剤として、経済への波及効果が拡散することを大いに期待します。

 柳田 駅前ロータリーからすぐ住宅街が広がっている南口に、周辺環境と調和したランドマークが出現しますが、施設をつくって終わりではなく、いかに厚木市南部の玄関口としての役割を果たし北口とも連動したにぎわいをつくっていくかが今後の課題です。地域の方の期待も大きいので、住民の皆さんと一緒に厚木全体の活性化へ寄与できればと思います。

  厚木市のコンセプトである「街並みの連続性・にぎわいの創出」「新たな街の顔として相応(ふさわ)しい景観の形成」「居住環境の高い共同住宅の整備」の具現化を柱とし、「医療、住まい、生活支援を一体的に提供する地域包括ケア社会」に寄与する、よりよい施設づくりを厚木市さま、再開発組合さまと行っていきたいと考えています。
 誰もが安心、安全に暮らすことができ、交通の利便性も良く、自然と建造物が融和した恵まれた住環境が整う魅力的なまちとしてさらに発展して欲しいと願います。▶前編はこちら

 

2020年度に完成予定「複合型再開発タワー」の全容について

 魅力ある駅周辺の顔づくりのメーンプロジェクトとも言える複合型再開発ビルは、地下2階地上22階建て。2020年度(予定)にはまさしく厚木の新たなランドマークとしてふさわしい姿が完成する。

 本厚木駅の駅前広場とはペデストリアンデッキで直結しており、雨にほとんど濡れることもなく徒歩1分でアクセスできる。地下1階には市営駐輪場、1階には銀行、3階には医療施設が入るほか、2階には飲食店の誘致を進めており、4~22階は三菱地所レジデンスが「ザ・パークハウス 本厚木タワー」して住居を提供する。公共、医療、商業、そして住まいが一体となり、コンパクトシティとしての都市機能を余すところなく備えることで、市民のみならず観光で訪れる人々も厚木の魅力を十分に感じることができる空間を目指す。
 にぎわいの創出と街並みの連続性を図りデザインされた本再開発ビルは、人々の安全・安心で快適な暮らしを守り、進化・繁栄する厚木の象徴として長く親しまれる場所になると期待されている。
▶本厚木南口再開発についてはこちらから

本厚木駅周辺のまちづくりの取り組み


 本厚木駅周辺では、南口駅前再開発のほかにも様々な事業を展開しています。

①中町第2-2地区周辺整備関連事業
 市民の憩いの場として、自宅でも職場でも学校でもない第3の居場所「サードプレイス」の創出を目指し、こども未来館(仮称)や新たな中央図書館を中心とした複合施設の整備に向け、基本計画を作成。 また、交通機能を向上するため、バスセンターを含めた周辺道路計画を検討している。

 ②デジタルサイネージ設置事業
 本厚木駅の利用者に、イベントや観光・行政情報などを発信するため、北口広場にデジタルサイネージ(電子看板)を設置。

 ③自転車等駐車場整備事業
 駅周辺に自転車などの駐輪場をバランスよく配置し利便性を向上させるため、本厚木駅南部(旧厚木労働基準監督署跡地)に新たな駐輪場を整備。

 ④庁舎再編等推進事業
 現在の庁舎の老朽化や分散化、狭あい化の解消、災害対応力の強化を図るため、新庁舎建設に向けた基本的な計画を策定している。

 ⑤本厚木駅北口周辺整備事業
 「厚木の顔」をさらに魅力的にするため、本厚木駅北口周辺地区の将来的な再整備に向け、基本調査を実施。

PR