【バスストップ】東急・城01系統(4)吉田橋 かやぶき古民家健在|カナロコ|神奈川新聞ニュース

【バスストップ】東急・城01系統(4)吉田橋 かやぶき古民家健在

綱島駅▼吉田橋▼高田駅▼下田上町▼

今年度からカヤの屋根をふき替える予定と語る14代当主の飯田助知さん=横浜市港北区の「飯田家住宅」

 バス通りから横道に入ってしばらく歩くと、横浜市の有形文化財に指定されている、かやぶき屋根の古民家「飯田家住宅」(港北区綱島台)にたどり着く。江戸時代の後期に造られた長屋門と、明治時代の中期に再建された主屋や庭園などから成る。門の外には堀(ほり)もあり、水鳥が羽を休めていた。

 飯田家は江戸時代に綱島村や北綱島村の名主を務め、農地の開墾(かいこん)や鶴見川の改修に尽力(じんりょ く)した名家。建物は今も個人宅で、記者は緊張(きんちょう)しつつ門をくぐった。

 取材を歓迎してくれた現在の当主は何と、前回紹介した「綱島市民の森」で愛護(あいご)会長を務める飯田助知(すけとも)さん(80)だった。助知さんは14代目。県立高校で世界史を教え、校長も務めた。今は地域の森だけでなく文化財となった飯田家の屋敷(やしき)も、次世代に継承しようと力を注ぐ。

 主屋には先代の故・助丸(すけまる)さんが1987年ごろまで居住したが、以後は助知さんが日中の仕事場として使っているという。空調設備がなく、夏場は涼しく過ごせる一方、「冬は個人宅とはいえ文化財なので火が使えず寒く、室内でコートを着ています」と明かす。

 カヤの屋根は20年に1度、ふき替(か)え工事が必要になる。助知さんは「本年度は長屋門と主屋の屋根の6分の1をふき替える予定」と話す。日当たりの加減で傷みの早い部分とそうでない部分があり、傷んだ箇所(かしょ)から先に工事をするという。ふき替えは3人の職人で約1カ月かかり、屋根材のカヤの調達と職人の手配が大変なうえ、「職人さんの宿泊施設の確保も一苦労です」と助知さん。めったに見られない文化財の“新陳(しんちん)代謝”。カヤのふき替えの際はまた、取材で足を運びたい。

次回も「吉田橋」
(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2018年6月28日掲載】

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