学校給食「センター方式」が波紋 寒川町、住民は「校内で調理を」|カナロコ|神奈川新聞ニュース

学校給食「センター方式」が波紋 寒川町、住民は「校内で調理を」

市民が開いた学習会では寒川町の方針への疑問や反対の声が多く聞かれた=25日、寒川総合体育館

 中学校での「完全給食」導入を巡る寒川町の方針転換が、議論を呼んでいる。当初は調理・配達を委託する「デリバリー方式」を採用する意向だったが、町は昨秋、小学校校内で調理する「自校直営式」を廃止した上で小中一括の「給食センター方式」に移行する方針を表明。これに対し、町民の一部からは反対の声が上がり、28日開会の町議会に自校直営式の継続などを求める請願書が提出された。町は5年後をめどに移行したい考えだが、曲折も予想される。

 同町は現在、町立小学校5校で主食、おかずなどがそろった完全給食を自校直営式で提供。町立中学校3校では牛乳だけの「ミルク給食」を実施している。

 町は2015年2月、完全給食の導入を目指している中学校について、持参弁当か給食かを選べる選択制のデリバリー方式の導入を決定。小学校給食は自校直営式を維持する考えで、17年度当初予算に関連費1億5千万円を計上し、老朽化した1校の給食室の改修を同年度中に予定していた。

 しかし、町は17年11月、これまでの方針を一転。小中一括で調理する給食センター方式を採用する考えを明らかにし、予定していた給食室の改修も中止した。

 その理由について、町教育委員会は「限られた財源の中で栄養や食の安全を確保できるかや、コストなどを総合的に考え、給食センターの設置を決めた」と説明する。

 一方、町の計画を疑問視した町民有志は今年2月、「寒川町の学校給食を考える会」を発足させた。小中学校における自校直営式の維持と実現を求める署名活動をスタートし、これまでに2500近くの署名が集まっている。

 今月25日、同会が町内で開催した学習会では、町民からも「今ある小学校の自校給食を廃止してまで、わざわざセンター方式にする必要があるのか疑問」「個々の児童生徒のきめ細やかな食物アレルギーの対応ができなくなるのでは」といった意見が出された。

 同会は町議会に対し、センター方式の取りやめや、小中学校の自校直営方式の実現を求める請願書を提出。来月、議会常任委員会で審議される。

 同会代表の吉田知枝さん(70)は「保護者や子どもたち、現場の栄養士や調理員、教職員などの意見を十分に聞いてほしい」と話す。

 町は、学校給食センター整備に関する外部と内部の検討委員会を設置。外部検討委は公募の町民や栄養士、町立小中学校の校長会の代表らで構成されており、9月に1回目の会合が開かれる。町教委教育施設・給食課は「いろいろな意見があるのは事実。今後、内外の検討委員会などを通じて、幅広く議論していきたい」としている。

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