2間半の大凧、アリーナに保存・展示 寒川町|カナロコ|神奈川新聞ニュース

2間半の大凧、アリーナに保存・展示 寒川町

メインアリーナの東側観客席の頭上に設置された2間半の大凧と、小動大凧会のメンバーたち=シンコースポーツ寒川アリーナ

 寒川町で毎年、手作りの凧(たこ)を揚げてきた「小動(こゆるぎ)大凧会」の凧が、シンコースポーツ寒川アリーナ(同町宮山)に保存・展示されることになった。大凧会は高齢化の影響で既に解散、30年以上続いた地域の催しはもう見られない。それでも、会長(74)は「町が引き取ってくれ、これからも多くの人に見てもらえる」と、寂しさの中にも安堵(あんど)の思いを語った。

 大凧会は1983年、同町の小動地区で結成。初代会長(83)は「地域に凧揚げの伝統があったわけではなく、皆で集まるのが楽しくて始めた」と振り返る。作り方や揚げ方は、200年以上の歴史がある座間の担い手に習ったという。

 9尺(2・7メートル)四方の凧から始め、徐々に2間半(4・5メートル)や4間(7・2メートル)の大物へ。2~3年ごとに作り替えながら、毎年5月4日に「小動大凧まつり」として、地元の田んぼを会場にして凧揚げを続けてきた。

 竹を裂いて縛り、大勢で作ったものを協力して大空に揚げる。「天候と、人の和と。全部がちゃんとそろわないといけない」。会員27人で活動を重ねてきたが「新しい人、若い人が入ってこなくなった」という。

 会に名を連ねる人の多くが70代。活動の継続が困難になり、今年1月の総会ですっぱり解散した。

 まつりは例年地域の人々や町関係者らでにぎわってきたが、今年は開催を断念。5月3日に有志によるお別れの儀式として最後の凧揚げをした。「よく揚がったよ」「風が吹きすぎて揚がりっぱなしだったな」。同13日に最も大きい4間凧のお焚(た)き上げを行った会員らは雄姿を振り返る。

 一方で2間半凧は、地域の営みを残そうと町が保存することが決まった。

 会の保管場所から6月1日にアリーナの外通路に枠組みの形で移設。7月の休館日である23日、会員10人ほどが集まり、メインアリーナで“最後”の組み立てをした。

 紙を縛り付け、糸目を整えた大凧を、業者の手を借りて2階観客席の頭上に掲出。後日、アリーナロビーに凧の由来が文章と写真で展示される予定だ。

 残る9尺凧は、JAさがみの農産物直売所「わいわい市 寒川店」に引き取られた。

PR