【IR考 横浜誘致の是非】カジノ依存は不治の病|カナロコ|神奈川新聞ニュース

【IR考 横浜誘致の是非】カジノ依存は不治の病

国学院大学 横山実名誉教授

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法の成立後も、カジノ導入反対の声は止まらない。その主な理由はギャンブル依存症への懸念だ。日本社会病理学会前会長で、国学院大学の横山実名誉教授は「特にカジノ依存は“不治(ふち)の病”。導入すれば多くの依存者が生じ、国が滅びかねない」と訴える。

 日本が開国し、貿易を始めた1858(安政5)年、江戸幕府は欧米各国と修好通商条約(安政五カ国条約)を結んだ。その際、第4条には「阿片(アヘン)の輸入厳禁たり」と明記された。開港した国内5港の一つ、横浜港ではアヘンの密輸を防ぐため、水際で取り締まりが行われたことは歴史が示している。

 19世紀には英国が清国にアヘンを持ち込んだことでアヘン中毒者がまん延し、その結果、清国が滅亡したことがすでに世界中に知れ渡っていた。そのため、横浜港は、まさに外国からの悪弊を止める「波止場」の役割を担ってきた。

 その横浜港でカジノが導入されるとすれば、開港から横浜が培ってきた良いイメージが破壊されるだろう。それだけではない。ギャンブル依存者が国内にまん延し、日本は亡国の道を歩みかねない。

 ギャンブル依存症の最大の特徴は、自らが依存者であることを自覚しないことだ。

 アルコール依存の場合は、エスカレートすると身体的依存が見られるようになる。アルコールが切れると脈拍が速くなったり、発汗やイライラ、手が震えたりする症状が現れる。

 そのような禁断症状が現れないようにするために、多量のアルコールを摂取するという悪循環が生じ、身体的依存はさらに深まる。仕事などに支障が生じ、肝臓を痛めることで本人は初めて依存症を自覚し、自発的に、あるいは家族など周囲の勧めで治療を受けることになる。...

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