地域の誇り、絵に残し 来秋解体の崇善公民館 小学生らが写生 平塚|カナロコ|神奈川新聞ニュース

地域の誇り、絵に残し 来秋解体の崇善公民館 小学生らが写生 平塚

崇善公民館の絵を描く子どもたち=平塚市見附町

 戦後に平塚市議事堂として使われ、来秋に解体される崇善(そうぜん)公民館(平塚市見附町)の今の姿を地元の小学生が絵に描く催しが7月30日、公民館周辺で行われた。半世紀にわたり地域のシンボルだった建物に、集まった子どもや住民らは「見慣れた風景が変わるのはさみしい」とそれぞれ思いをはせた。

 崇善公民館は、洋風の建物に瓦ぶき屋根を載せた和洋折衷の「帝冠様式」で、1928年に平塚尋常高等小学校の校舎として建設された。45年7月の平塚大空襲による焼失を免れた後、一部増築を経て50年から市議事堂として活用され、65年からは公民館として市民に開放された。

 この日の催しは、毎年夏休みに地元の美術家らを講師に招いて行われていた「こども絵画大会」の一環。これまでは近所の街並みを写生してきたが、現在の公民館で行われるのが最後となることから思い出を残すことになった。

 約50人の子どもたちは公民館の前に立つ樹齢120年のクスノキの根元に画材を広げ、思い思いにクレヨンや絵筆を画用紙の上に走らせてスケッチ。個性豊かな作品は、来年3月に行われる公民館まつりで展示される予定だ。

 市立崇善小学校6年の李明秀君(11)は「子ども会のビンゴ大会が楽しかった。絵だとずっと残しておける」と振り返る。同校4年の平野夢奈さん(9)も「最後だから集中して描いた」と笑顔を見せた。

 一方、大人たちも懐かしさに浸った。子どもたちの見守りで参加した市防犯協会崇善支部の田中博由さん(73)は趣味の川柳で20年近く公民館を利用してきたという。「味わい深い建物で地域の誇りだった。長い歴史の中で住民に愛されてきた」と感謝した。

 公民館は周辺地区の再整備に伴い、来年3月に閉鎖され、新たに建てられる複合施設に移転することが決まっている。今月30日には建設予定地の見附町駐車場で起工式が行われ、関係者約30人が参加した。

 公民館の鈴木正美館長は「保存を求める声もあったが難しかった。歴史的な建物がなくなってしまうのは残念」と話した。

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