難病と闘う三浦の78歳男性 「絵は生きがい」初の個展|カナロコ|神奈川新聞ニュース

難病と闘う三浦の78歳男性 「絵は生きがい」初の個展

「絵は生きがい」と話す野崎さん=「風の珈琲」

 手足や言葉が不自由になる難病と闘いながら、身近にある花を題材にした絵画を描いている男性が三浦市内にいる。幼い頃から好きだった描画から、一度は遠ざかったが、道具を右手から左手に持ち替え、精力的に創作活動を続ける。「絵は生きがい」。そう語る男性の長年の夢だった人生初の個展が31日まで、市内で開かれている。

 個展を開いているのは、野崎三津夫さん(78)=同市三崎町小網代。会場のコミュニティーカフェ「風の珈琲」(同市原町)には、アジサイやバラといった花や海岸といった市内の風景など約25点が並ぶ。

 野崎さんは小学生の頃から、絵が好きだった。「小学校の図工の先生や中学校の美術の先生が熱心に指導してくれて、好きになったようです」。長女の鈴木朋江さん(49)が代弁する。高校卒業後、自動車メーカーで内装の設計を担当。退職後、弟とともに市内ですし店を営み、板前として腕を振るった。海や船、魚…。店内には野崎さんの絵が多く飾られていたという。

 だが、50代後半から、手足の動きが鈍くなり始めた。神経の難病と分かったのは60歳の時。70代に入って右手が不自由になり、描くことが難しくなった。介護認定を受けた3年ほど前から、「風の谷リハビリデイサービス」(同市岬陽町)に通い始めた。現在は週に3日、同施設などでリハビリに汗を流す。理学療法士の長谷川由理さん(33)に、もう一度絵を描くよう勧められた。「趣味を再開することで前向きになれ、機能回復や、他のトレーニングのやる気にもつながる」と長谷川さん。野崎さんは左手に鉛筆やペンを持ち替え、スケッチを再び始めた。

 外出ができにくいため、題材は、妻の三江さん(70)が自宅に飾る花や、デイサービス利用者が施設に持ち寄る花が増えた。握力が弱く、思うように線は引けないが、点で描く分、より柔らかい作風に。描くペースもこの1年は月2、3作品と上がった。朋江さんも「施設に飾ってもらい、多くの人に鑑賞してもらえることが父の張り合いになっている」と目を細める。

 ようやく実現した夢の個展。野崎さんは「自分の絵で癒やされてほしい。もっとたくさん描いて、次も開きたい」と顔をほころばせた。

 個展は月~水曜と金曜の午前10時から午後4時まで(月曜は午後1時まで)。野崎さんは19日、午後3時まで滞在する。入場無料。問い合わせは、同カフェ電話046(854)9894。

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