〈時代の正体〉「弱者にやさしい」に違和感 川崎市諮問に有識者会議「強者の論理」|カナロコ|神奈川新聞ニュース

〈時代の正体〉「弱者にやさしい」に違和感 川崎市諮問に有識者会議「強者の論理」

  • 神奈川新聞|
  • 公開:2018/07/26 02:00 更新:2018/11/12 19:03
福田市長からの諮問を審議した市人権施策推進協議会=川崎市川崎区

福田市長からの諮問を審議した市人権施策推進協議会=川崎市川崎区

【時代の正体取材班=石橋 学】川崎市の福田紀彦市長は25日、有識者らでつくる市人権施策推進協議会(会長・建石真公子法政大教授)に「『弱者にやさしい川崎』を目指した人権施策の在り方」を審議するよう諮問した。2020年3月末までに答申をまとめるが、委員からは「『弱者』という言葉は人権上、配慮されたものだろうか」と、諮問事項から伝わる市の姿勢や基本的な認識に対する疑問が相次いだ。

 同協議会は市の付属機関として15年に設置。今年3月には第2期の協議会が「差別や偏見のない社会を実現するための施策」について、市に答申した。

 市は4月からの第3期協議会に対する諮問目的について「グローバル化など社会構造の変化で、貧困や社会的な孤立などのリスクが高まっている。これらのリスクは人権侵害と表裏一体」との認識に立ち、「とりわけ社会生活上、弱い立場に置かれている市民の人権が尊重され、尊厳が守られる施策の在り方を再確認し、着実に取り組んでいくため」と説明した。

 これに対し、委員からは諮問事項に示された「弱者にやさしい」との表現への違和感の表明が相次いだ。「強者からのまなざしを感じる」「強者が弱者の面倒を見るというのは古い考え方。人間を弱い立場に追い込む社会や制度を変えていくのが人権施策」などと、人権に対する市の認識への疑問が呈された。

 建石会長は「人を弱者たらしめる条件をどう変えていくのかを考えていく」とのスタンスを表明。次回以降、第2期の答申で課題とされた人権が侵害された際の救済制度や、性的少数者(LGBT)の人権課題について審議することを決めた。...

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