元V川崎・李国秀さんW杯コラム<6>若手起用したフランスの勝利|カナロコ|神奈川新聞ニュース

元V川崎・李国秀さんW杯コラム<6>若手起用したフランスの勝利

李国秀さん

 決勝は予想に反して大味な試合となった。

 クロアチアは決勝トーナメントでの死闘が影響したのか、動きに切れがなかった。ただ、技術力ではフランスを上回り、ボールの奪い方は世界のファンをうならせたのではないか。戦う姿勢も初々しかった。

 悔やまれるのは選手交代。レアル・マドリード(スペイン)でプレーするコバビッチをなぜ使わなかったのだろうか。リズムチェンジが必要な時間帯だっただけに疑問だし、理由を聞いてみたい。選手交代は監督の専権事項だし、またサッカー観が見えるものだ。

 日本が見習うべきプレーの数はクロアチアの方が多かった。何より見ていてワクワク感があった。敗者ではあるが、グッドルーザーとして記憶に残るだろう。

 PKについては語るまい。

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)についても多くの人が語るだろうが、何事もトライ&エラーが進歩の原点だと思う。悪質なファウルは技術の進歩を妨げるし、何をやっても勝てば良いとの風潮を斬るのではないか。

 フランスは過去の勝者の実績と理論でクロアチアを退けた。選手としてW杯を獲得し監督としても制覇したデシャン氏は、何とも幸せな人だ。現役時代を知る者として、ぜひ優勝までの苦難の道のりを語ってもらいたい。

 デシャン監督は、華麗なパスワークからゲームを組み立てる「シャンパンサッカー」から、一見地味な「堅守速攻」に戦い方を変えた。選手選考や準備段階の試合などを通し、数多く批判を受けながらも信念を曲げずに勝ち取った賜杯だろう。次回カタール大会では、さらに見ていてワクワクするチームになっているはずだ。

 日本では次期監督選びが最大の関心事だが、サッカー協会がどんな評価基準を持って決めるのかに注目したい。監督の持つサッカー観は、選手選びで分かる。メディアを通しての発言はその人の信念をうかがうことができるし、その方向性も予想できる。そんな監督を期待したい。ロシアW杯は、若手を起用したフランスの勝利とも言える。

り・くにひで 読売クラブなどでプロサッカー選手として活躍後、桐蔭学園高やヴェルディ川崎(現東京V)などで指導に当たった。教え子に元日本代表の森岡隆三氏(前J3鳥取監督)、戸田和幸氏(慶大コーチ)をはじめ、J1仙台の渡辺晋監督、横浜Mの中沢佑二ら。厚木市で「エルジェイ・サッカーパーク」を経営。横浜市青葉区在住。

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