横浜市立小、人口増地域で移転や新設 児童減で統合も   |カナロコ|神奈川新聞ニュース

横浜市立小、人口増地域で移転や新設 児童減で統合も   

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  • 公開:2018/07/08 15:06 更新:2018/08/07 22:59
 横浜市内で人口が局地的に増加し、2020年にかけて市立小学校の移転や新設が続く。一方、市内全体で見ると19年をピークに人口減に転じる見込みで、少子化への対応は待ったなしだ。子ども目線の学習環境の整備が求められている。

 市教育委員会学校計画課によると、人口が増えているのは、鶴見区と港北区の全域、神奈川区と臨海部の一部。子安小学校(同区)は児童増加で教室が不足し、3年生や4年生がプレハブ校舎で授業を受けていたが、より広い校舎へと今年4月に移転。同月には本町小学校(中区)の学区が分割され、人口増が著しい横浜・みなとみらい21(MM21)地区にみなとみらい本町小学校(西区)が10年間の限定で新設された。このほか2校で新設や分校制導入が決まっている。

 同課によると、学校新設で特にハードルとなるのが土地の確保だ。市有地には限りがあり、民有地を取得するケースも少なくない。例えば子安小の移転先は旧日産グラウンド。5割強で土地取得のめどが立っているが、残りは協議中だ。

 一方、人口減少へ対応も迫られる。特に懸念されるのが、1学年で1クラスとなる小規模校の増加だ。現在、小学校で約30校あり、23年には約60校に倍増すると市教委は推計する。

 小規模校は教員による児童への手厚い対応が期待できる半面、クラス替えがないため見知った児童だけの学校生活となり、集団の中での学びの機会が乏しくなる。教員数も少なくなり1人当たりで受け持つ校務の負担が増えるほか、PTAメンバーの固定化などの支障も生じる。

 市教委は毎年、学校規模の適正化を図ろうと通学区域を調整し、小規模校の統合も検討。その際、保護者からは学校が遠方になることによる安全面の懸念が、住民からはまちづくりの視点から学校が地域の拠点となっている実態を踏まえた要望が、それぞれ寄せられる。

 市教委は「学校は地域を象徴する施設。人口減少という時代に合わせ、子どもたちの最善を考えながら見直していく」としている。


移転余波で歩道橋が大混雑


 今春、横浜市神奈川区の新子安駅周辺で朝の景色が一変した。平日の午前8時ごろ、駅前の「新子安歩道橋」上では黄色い通学帽が数珠つなぎとなる。市立子安小学校に登校する児童の列だ。

 「広がらないで」。声を掛け合い、一列になって端に寄り、階段を下りる順番を待つ。PTAメンバーが見守り、保護者が付き添う登校班もあるが、通勤通学で駅に向かう大人とぶつかることも珍しくない。歩道橋上の“大渋滞”は慌ただしい朝の日常となっている。

 同小は学区内のマンション開発で児童が増加。より広い校舎で学べるようにと、4月に約150メートル移転した。移転前は約350人だった新子安歩道橋の利用児童が、移転後は約800人に急増。通学路変更に伴う想定外の影響だった。

 混雑解消のため、6月上旬に一部地域の通学路を改めて変更。利用児童は約600人に減ったが、それでも午前8時からの約10分間は歩道橋上で児童の列が途切れることはない。

 一方、通学路を変えた約200人は新子安歩道橋から約500メートル離れた「子安台歩道橋」を使うようになった。地元の子安台自治会のメンバーが登校時に見守る。

 同自治会は学校移転前から下校時の見守り活動をしてきたが、4月からは登校時にも子安台歩道橋の周辺に立つように。6月からは利用児童が増えたため、多いときは同会から10人が出向く。負担は小さくなく、防犯担当の男性(72)は「安全に登校してほしいが、いつまで立ち続けるのか」と頭を抱える。

 学区内には歩道橋以外にも、交通量の多い国道や歩行者用グリーンベルトがない道路など、通学路の変更によって対応が必要な箇所は少なくない。同校の宮生和郎校長は「性急な対応は逆に子どもの安全を損なう恐れもある。安全確保を最優先に地域の協力を得ながら1年間かけて対応を考えていきたい」と話している。

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