キャビアを三浦市の特産に 市内法人が湧き水でチョウザメ養殖|カナロコ|神奈川新聞ニュース

キャビアを三浦市の特産に 市内法人が湧き水でチョウザメ養殖

ビニールハウス内で養殖されているチョウザメ=三浦市初声町高円坊

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 三浦市の農業生産法人が、湧き水の豊富な市内の水源地跡地で、チョウザメの養殖に挑んでいる。水産資源の減少に危機感を持ち、敷地内にビニールハウスを建て、ニジマスやヤマメと共に飼育。食材としてのチョウザメを広く知ってもらうため、地元の住民や関係者を招いた試食会も開かれ、好評を得た。法人は「チョウザメが三浦の特産品になれば」と意気込んでいる。

 養殖に挑戦しているのは、農業生産法人「デリーターファーム」(同市初声町下宮田)。3年ほど前から、市内2カ所の敷地計約6千平方メートルで、農作物や花木を実験栽培している。

 チョウザメの養殖にも当初から取り組む。金子寛一社長(75)が、珍しく、育てやすい魚種として薦められたのがきっかけだった。金子社長は「海の魚の資源量が減少している。これからは養殖が必要になると考えた」と説明する。

 水源地だった同市初声町高円坊の敷地内で現在、チョウザメ700~800匹、ニジマス約1万匹、ヤマメ約150匹を飼育する。チョウザメやニジマスの養殖用に、ビニールハウス4棟も建設。ハウス内に生育用のプールを設け、ポンプで湧き水をくみ上げた。湧き水は水温が一定で、養殖に適しているという。

 チョウザメは名前にこそサメが付くものの、浮袋の有無などサメとは体の構造が異なる。別名「キャビア・フィッシュ」とも呼ばれ、卵を塩漬けにしたのが世界三大珍味として有名なキャビアだ。

 法人は稚魚を小さい水槽で半年ほど育てた後、プールに移し、大きさごとに分けて餌やりをしている。当初は稚魚が鳥に食べられてしまうなどの苦労もあったが、飼育を担当する清水勝見さん(73)は「3年たって育て方がようやく分かってきた」と笑う。

 法人によると、メスからキャビアが採取できるのは7、8年ほどかかるため、市場に出荷するには時間がかかる。またオスを食材としてどう販売するかも模索中だ。

 そうした中、地元のホテル「マホロバ・マインズ三浦」(同市南下浦町上宮田)が協力し、チョウザメを使った料理の試食会を開いた。市民や地元の飲食店経営者ら約30人に刺し身やしゃぶしゃぶ、西京焼きなどを振る舞い、「想像していたよりくせがなく、食感も良くておいしい」などの声が寄せられたという。

 「評判は上々で、出荷に向けて手応えをつかんだ」と金子社長。「今後も養殖を続け、地元とタイアップしながら、キャビアを筆頭に、チョウザメを三浦の名産に育てたい」と話している。

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