藤村、漱石… 鎌倉文学館で明治期作家の苦闘たどる特別展|カナロコ|神奈川新聞ニュース

藤村、漱石… 鎌倉文学館で明治期作家の苦闘たどる特別展

日本近代文学の黎明期を生きた作家たちの軌跡をたどる特別展=鎌倉文学館

 明治時代は、日本近代文学にとって新しい言語や文体を生み出さなければならない黎明(れいめい)期だった。そんな時代を生きた二葉亭四迷や島崎藤村、夏目漱石ら開拓者たちの苦闘の軌跡をたどる特別展「明治、BUNGAKUクリエイターズ」が8日まで、鎌倉文学館(鎌倉市長谷)で開かれている。

 同展は、明治期の作家たちの歩みを独自の解釈で語った作家・高橋源一郎さんの小説「日本文学盛衰史」をベースに構成されている。

 「日本人たちは、社会のあらゆる領域で、ゼロから始めなければならなかったのです。…まず、何より、新しい言葉、新しい日本語を創り出すことから始めるしかなかったのです」。同展に寄せて高橋さんはこう語る。情報革命などにより過去に類例を見ないような新時代を迎えようとしている今、「わたしたちが振り返ってみることには、大きな意味があるように思えるのです」と語り掛ける。

 自由な散文による革命を模索した二葉亭四迷、人間の内面を表現する言葉を追い求めた北村透谷-。彼らの創作の道筋が直筆原稿や書簡、写真をちりばめながら解析されていく。「『浮雲』を読んでもっとも驚いたのは鷗外であった。そして『舞姫』を読んでもっとも驚いたのは二葉亭であった。『浮雲』の文三のような人物は、それ以前の日本文学には登場したことがなく、『舞姫』の豊太郎のような人物も登場したことがなかった」(「日本文学盛衰史」より)

 文芸評論家の富岡幸一郎館長は「現代作家の作品を題材にして明治文学史を論じ、展示することを試みた。文学史は過去のものではなく、現在の状況や社会の言葉にもかかわっていることを見ていただきたい」と話している。

 鎌倉市芸術文化振興財団が主催し、一般400円、小中学生200円。同館は電話0467(23)3911。

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