跳び箱事故で中2障害「指導に配慮必要だった」 横浜市教委|カナロコ|神奈川新聞ニュース

跳び箱事故で中2障害「指導に配慮必要だった」 横浜市教委

横浜市役所

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 2017年5月、横浜市鶴見区の市立中学校で当時2年の男子生徒が保健体育の授業中に跳び箱から落下、頸椎(けいつい)を脱臼した事故に関して横浜市教育委員会は29日、詳細調査報告書を公表した。男子生徒は事故前にも1度、跳び箱に失敗していることから、担当の男性教諭が「指導に配慮する必要があった」などと指摘。一方で、学校側の対応について授業の環境や器具、事前の準備に問題はなかったと結論付け、原因を特定しなかった。

 報告書によると、男子生徒は17年5月11日、5段(高さ90センチ)の跳び箱で開脚跳びをした際、体勢が崩れ、マットに頭から落下、救急搬送された。下半身不随となり、上半身も機能障害となり、県内の病院で入院中という。

 報告書では男子生徒が事故3日前の授業でも1度、5段の跳び箱に失敗していることから、担当教諭は「適切な言葉掛けをする配慮が必要だった」と指摘。男子生徒の体格について、「5段が低過ぎたとまでは言えないが、体格の大きい子や器械運動の苦手な子には別の課題を与えるなど、指導に配慮する必要があった」とした。

 文部科学省の器械運動に関する指導の手引きには、台上前転など「回転系」の後に開脚跳びなど「切り返し系」を行うと回転感覚が残って事故につながることがある、との記載がある。事故当日、男子生徒は切り返し系、回転系、切り返し系の順に跳んで落下したが、報告書は「(跳び箱を跳ぶ前に)本人ははっきりと切り返し系を意識していた。今回の事故は必ずしも技の順番の問題ではない」と結論づけた。

 再発防止策として、高い段数の指導だけに注力せず、跳び箱の苦手な生徒の指導にも注意すべき▽生徒一人一人の特性に配慮した指導を徹底すべき-など4点を挙げた。

 事故を受け、市教委は文部科学省の学校事故対応に関する指針に基づき、外部識者らで構成する「学校保健審議会学校安全部会」を初めて設置。17年7~12月の計4回開催し、調査してきた。

両親「学校に不信感」


 跳び箱落下事故に関する詳細調査報告書の公表を受け、障害者となった男子生徒の両親が29日、横浜市役所で会見し、報告書の内容について「改善策が不十分で納得していない部分がある。学校から謝罪もなく、不信感が募っている」と語った。横浜市に対する訴訟も視野に入れているという。

 同席した小池拓也弁護士は、男子生徒が5段の跳び箱を跳んでいたことについて、「報告書では『低過ぎたとまでは言えない』としているが、特段の根拠がない」と指摘。担当教諭が跳び箱の選択を生徒に委ね、「切り返し系」と「回転系」の技を同時に練習させていたことなどを問題視した。

 母親(39)は「報告書はまるで(事故が)本人のせいのように記載され、改善策がみられない。同じような事故が繰り返されるのでは、と懸念している」と話した。

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