強制不妊手術、県内462件 「補助制度」後押し|カナロコ|神奈川新聞ニュース

強制不妊手術、県内462件 「補助制度」後押し

神奈川県庁

 旧優生保護法(1948~96年)下で障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、県内で669件の手術が行われていたことが29日、県の調査で明らかになった。このうち本人の同意を得ていない強制手術は462件に上り、20歳未満が125件、最年少は12歳だった。県が手術費用を助成していたことも判明しており、国と連携して被害者救済を図るとしている。

 厚生労働省がまとめた全国調査では、神奈川は420件とされていた。県が今回公表した調査結果はより多くの被害者の存在を裏付けた形で、深刻な実態が改めて浮かび上がった。

 県によると、本人の同意を得ていない462件の内訳は、男性76件、女性386件。そううつ病やてんかんなど遺伝性疾患を理由とした手術が193件で、遺伝性以外の精神疾患による手術が269件だった。20歳未満は男性15件、女性110件。最年少は12歳で、最年長は42歳だった。

 強制手術を受けた男女のうち、個人が特定できたのは55件(男性7件、女性48件)で、このうち46件は住所も判明した。調査した資料に個人名が記載されていたケースは、手術実施者を含め150件あった。

 手術の実施年は1964年が最多の44件で、60年代前半は30件台で推移していた。県が「優生手術費補助」制度を運用していた期間(56~74年度)と重なり、手術に伴う手術料や入院費などを補助する仕組みが実績向上に寄与していたとみられる。

 県は国の要請を受けて実態調査を実施。48年以降の「手術申請書」「手術適否決定書」など旧法に基づく「優生保護審査会」に関連した歴史的公文書などを調べていた。同様の調査は保健所設置市や一般市町村も実施しているが、県以外の市町村や医療機関などで文書の保存が判明したケースはないという。

 県は国の動向を踏まえて統一的な対応を講じるほか、本人や家族からの相談に応じるとしている。

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