港WORKER:夢は地魚ブランド化 海でつながる食文化|カナロコ|神奈川新聞ニュース

港WORKER:夢は地魚ブランド化 海でつながる食文化

横浜港大さん橋マルシェ副実行委員長 坪倉良和さん

「地魚は水際で食べるのが最高」と話す坪倉さん=横浜港大さん橋マルシェ会場

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 抜群のロケーションを誇る横浜港大さん橋国際客船ターミナル(横浜市中区)の岸壁で2017年2月に始まった「横浜港大さん橋マルシェ」。今年6月には8回目を迎え、多彩な出店者や投げ銭ライブでにぎわう人気イベントとして定着した。主催する実行委員会の副実行委員長を務める坪倉良和さん(67)はミナト横浜の水辺から、地魚のブランド化と地産地消を促していくことを夢見ている。

 「横浜の玄関口から、日本の食文化を海でつながる世界に向けて発信していくことが大事だね」

 16日、マルシェ会場の市中央卸売市場(同市神奈川区)ゾーンの前で、坪倉さんは優しい笑みを浮かべながらも熱っぽく語り始めた。

 買い物を楽しむ家族連れやカップルたちが店主らと会話を楽しみ、旬のアナゴやアジを使った料理を提供する市場の地魚キッチンカーには列ができていた。

 坪倉さんは水産仲卸「坪倉商店」代表取締役で、横浜魚市場卸協同組合理事でもある。県内には、マグロ水揚げ基地の三崎漁港(三浦市)が広く知られているが、地魚が揚がる各地の漁港があまり知られていないことを悩んでいた。

 「地元の漁師を応援しながら、地魚を扱う町の小売店や飲食店を都市部の消費者につなげることができないか」

 市民向けのPRイベントを開きたいと思っていた坪倉さんに一昨年、大さん橋の指定管理者から岸壁を使ったイベントを開きたいとの相談が寄せられた。国土交通省が大さん橋を港の活性化や地域振興に取り組む「みなとオアシス横浜港」として新たに登録したことで、立ち入りが厳しく制限されていた岸壁が開放されたのだ。

 坪倉さんは大さん橋マルシェの実行委員会に加わり、県内の漁港で水揚げした多彩な種類の魚を展示するとともに、県内外から出店者を募り朝市を開くことを提案。会場に漁港ののぼり旗を並べて市民に豊かな海の幸をアピールし、生産者と消費者をつなげる「黒子」としての市場の役割を知ってもらう機会にした。

 坪倉さんには、水辺から横浜に活気を巡らせるアイデアがある。

 それは、臨海部にある市中央卸売市場の立地を生かし、水辺の一角に場外市場を作ることだ。

 子どもたちが1次産業者や市場関係者から食育や「持続可能な社会」を学ぶ拠点にする。飲食店の担い手の育成や市民の料理教室も開く。海を眺めながら、市場で扱われる肉や魚、野菜などを素材に多様なジャンルの料理を味わえる場を併設する。

 「世界遺産に指定されている日本の食文化を守るとともに、全国や各国から来てくれている人たちと交流できる場にしたい」

 オープンの目標は、東京五輪・パラリンピックが開かれる2020年。卸売市場法の改正をにらみ、政官民連携の「オール横浜」で市場を変えていく覚悟だ。

 「横浜市場の未来が日本の最先端にあるという矜持(きょうじ)を持ち、自分たちの街や仕事に誇りが持てる横浜にしたい」

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