拡大するプラごみ海洋汚染 深刻な現状考えて 新江ノ水に啓発オブジェ|カナロコ|神奈川新聞ニュース

拡大するプラごみ海洋汚染 深刻な現状考えて 新江ノ水に啓発オブジェ

ごみ箱の機能を持つ魚のオブジェ。半透明で、ごみが回収されるとその量が分かる=藤沢市片瀬海岸の新江ノ島水族館

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 プラスチックごみによる海洋汚染が世界中で深刻化する中、生態系への影響を伝えるオブジェが新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸)に登場した。魚の形をした半透明なごみ箱(高さ2メートル20センチ)で、レジ袋やペットボトルなどのプラスチックごみを回収でき、その量も分かる。制作したNPO法人「海さくら」は「街から海に出たごみを魚や海鳥が食べている事実を知ってもらいたい」と話している。

 海さくらは2005年の発足以降、江の島周辺の海岸で清掃活動を続けている。回収するごみはさまざまだが、ペットボトルやボトルキャップ、ビニール袋などプラスチックごみが多数あるという。

 国連環境計画(UNEP)は今月、プラスチックごみの廃棄量は年々増加傾向にあり、2015年には3億トンに及んだとする報告書を発表。このうち、ペットボトルやレジ袋などの使い捨てプラスチック製品が47%を占め、深海ではレジ袋が生物に絡みついたり、袋に生物が付着したりしているのが確認された。

 一方、今月にあったカナダの先進7カ国首脳会議(G7サミット)で日本と米国が、海のプラスチックごみを減らすための数値目標を盛り込んだ文書に署名せず、環境団体からは批判が相次いでいる。

 海さくら理事長の古澤純一郎さんは、こうした状況に危機感を募らせる。「魚や海鳥が口からプラスチックごみを飲み込み、そのごみが体内に蓄積された魚を人間が口にする。海の生物だけではなく、私たちにも危険を及ぼす深刻な問題」と指摘する。

 オブジェは、深刻化する汚染の現状を知る端緒にしたいと、藤沢市などの協力の下、海さくらと日本財団が企画・制作。デザインは、ふじさわ観光親善大使のつるの剛士さんが担当した。

 今月17日にはお披露目式と市民参加の清掃活動があり、回収したプラスチックごみなどが「魚」の胃の中に収められた。

 オブジェは7月13日まで新江ノ島水族館に設置されるが、その後、東京都内や藤沢市役所にも展示される。古澤さんは「海のごみの8割は街から流れてきている。街に住む私たち一人一人がこの問題を考えるきっかけになればうれしい」と話している。

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