災害拠点5カ所耐震化進まず 二宮、住宅も全国平均以下|カナロコ|神奈川新聞ニュース

災害拠点5カ所耐震化進まず 二宮、住宅も全国平均以下

旧耐震基準で建てられ、以降改修されていない「災害時地区本部」の下町老人憩いの家=二宮町二宮

 二宮町は耐震性に問題がある町役場に代わる新庁舎建設の方針を打ち出しているが、町内には旧耐震基準(1981年以前)で建てられた公共施設、住宅もまだ残る。災害時に地区の情報収集の拠点となる5施設が現行の耐震基準を満たしていないほか、住宅の耐震化率も73%(2015年1月)と全国平均の82%(13年)を10ポイント近く下回る。町全体の「耐震化」は進むのか。

 町によると、「災害時地区本部」としているのは、コミュニティーセンターや児童館、公園などの21施設・場所。このうち下町(二宮)、茶屋(川匂)、富士見が丘(富士見が丘2丁目)、梅沢(山西)の各老人憩いの家と、上町児童館(二宮)の5施設は、いずれも旧耐震基準で建てられ、改修などによる耐震化が施されていない。

 災害時地区本部は、震災などが発生した場合、各地区で自主的に設置され、地区防災部長が常駐。住民の安否情報などを集約し、町役場の対策本部に伝える役目を担う。

 とはいえ、厳しい財政事情から全ての耐震化は困難なのが実情だ。町は今年3月に「公共施設再配置・町有地有効活用実施計画」を策定。計画に基づき、施設の整理・統合や、地区への移譲も含めて地元と協議しているという。

 町は、災害時地区本部について「避難所とは違い、(情報集約機能は)施設の建物ありきで考えていない」としつつ、「(情報を伝えるための)無線機能がある施設が倒壊し、近寄れないこともあり得る」とも認識している。

 一方、住宅の耐震化率は「2020年まで95%」との目標からは遠い。

 町は10年に耐震改修促進計画を策定、耐震診断の補助や住宅の耐震工事の一部助成などを進めてきた。ただ、65歳以上の高齢者世帯が多く、将来の先行きが見えず、改修に踏み切れない現状があるという。

 町の担当者は「最終的には金額の話になり、改修工事が進まない。積極的に呼び掛ける新しい手段を検討したい」と話している。

 災害時に対策本部となるが、耐震性を有していない役場の再整備を巡っては、町は経済性や利便性の観点から、町生涯学習センターラディアン(二宮)裏にある町有地への移転を打ち出している。

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