横浜中華学院、21年春に新校舎 老朽化で建て替え|カナロコ|神奈川新聞ニュース

横浜中華学院、21年春に新校舎 老朽化で建て替え

重慶飯店別館も閉店 半世紀の歴史に幕

2021年4月の運営開始を予定する横浜中華学院の新校舎イメージ(同学院提供)

他の写真を見る
 横浜中華街にある日本最古の華僑学校「横浜中華学院」(横浜市中区)が、校舎の建て替え計画を進めている。併せて、同学院幼稚園部と、敷地内で別組織が運営する認可保育園が合併し、「幼保連携型認定こども園」として組織編成。乳幼児から高校生まで一貫教育を手掛ける。新校舎の運営開始は2021年4月予定。目指すのは「華僑社会や世界をリードする人材育成の場」だ。

 台湾(中華民国)系の華僑学校である同学院は、1897年の開設。中華民国の国父と呼ばれる孫文が横浜に設立した「中西学校」を前身とし、昨年120周年を迎えた。

 各種学校と位置付けられ、本年度は「幼稚園部」「小学部」「中学部」、日本の高校に相当する「高中部」の計約470人が在籍。中国にルーツを持つ子どもたちが大半だが、約3割は日本人という。校内では中国語、日本語、英語が飛び交う。

 現校舎が建設されたのは今から半世紀前の1968年。建物が老朽化したこともあり、2011年3月の東日本大震災を機に、校舎の建て替えに向けた議論が本格化した。現校舎完成時、100人ほどだった児童生徒は年々増加。教室数が不足ぎみとの事情もあった。

 計画では、敷地内にある「横浜中華保育園」と、隣接する横浜華僑総会の事務所を解体。跡地に、鉄筋コンクリート6階建ての新校舎を建設する。

 現校舎1、2階を占める「重慶飯店別館」は7月末に閉店し、来春から保育園の仮園舎として使用。21年4月には、新校舎で幼保連携型認定こども園と、小学部から高中部までの運営を開始する。現校舎はその後、解体される。建設費用は30億円を見込み、現在は募金活動を展開中だ。

 馮(ヒョウ)彦国(ゲンコク)校長は「多くの方々が1日も早い完成を期待している。今後も、グローバルに活躍する人材を育てたい」と話している。

      □ ■ □

 現校舎解体に伴い、半世紀の歴史に幕を閉じることとなった「重慶飯店別館」。そもそもなぜ、校舎の一部で営業してきたのか。

 重慶飯店の李宏道社長によると、学院側は当初、テナントの賃貸収入を見込んでいたが、なかなか借り手がつかなかった。

 そこで白羽の矢が立ったのが父・海天氏。1959年に中華街で重慶飯店を開業する傍ら、台湾で政治活動をしていた同氏に対し、台湾の政府関係者を通じ打診があったという。

 「地元に貢献したいとの思いだったのでは」と李社長は推測する。別館開店当初は客が入らず、「調理場のスタッフが運転する宣伝カーで、一緒に街を回った」。当時9歳。今となっては良い思い出だ。

 店内にバーカウンターや挙式用の神殿を設置したり、ステージでバンド演奏を行ったり‥。さまざまな試みにより別館はその後、着実に客を増やし、会社の飛躍と学院の運営安定につながった。

 折しも今年10月には、本館リニューアルを控える重慶飯店。別館閉店を決断した李社長は「これも時代の流れかな」とつぶやく一方、「次世代を担う人材を育てる学校は、街の宝」と強調。中華街に根を張る一人として、学院の「これから」を見守っていくつもりだ。

PR